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2020.05.28

「道路走行画像」とは?―全国全ての道路を記録したインクリメントPの走行画像

 
目次

膨大な走行画像を分析!AIを用いたデータ抽出作業

―地図を作成するために走行画像を利用するとのことですが、具体的にはどのように画像を使用するのでしょうか?

―走行画像はドライバーの視点に近くなっていて、ドライバーが目にする情報が効率よく収集できるようになっています。それらの情報を抜き取って、地図データベースのもとになる道路データを作成しています。

画像からは信号や規制標識・表示などの最低限の情報だけでなく、案内標識や道路沿いのコンビニ情報なども抽出しています。5mおきに撮影しているのは、これが標識をしっかりと映せる間隔だからです。

こうして抽出した情報を道路に付与して、地図上に表現しています。

―走行画像から情報を抽出する作業は、一つ一つ目視で行うのですか?

―膨大な数の画像を目視で作業するのは現実的でないため、2003年、走行調査の準備と並行して、画像認識による機械抽出の仕組みの検討を始め、これの整備導入をしています。近年では、この画像認識処理にはAI技術の導入をしています。

規制標識などはすでにかなりの精度で抽出できるようになっていて、標識の角度が悪かったり、標識の一部が隠れて見えなかったりする場合にも、標識の判別ができるようになりました。

AIで認識できない標識

AIで認識できない標識。過去のデータなどから状況を判断し、必要な場合は再調査することも。※自動プライバシー処理画像

また、毎年膨大な画像を撮影するため、全てを確認することは難しいです。そのため、変化点を抽出して効率よく地図を整備できるように工夫しています。

変化点というのは、地図と画像を比べた時に変わっている箇所です。例えば地図上では信号がないが画像には信号が写っている場合は、信号が新しく設置された可能性があります。そうした変化を道路データとして整備し、毎月地図に反映させています。

―AIによる情報抽出ですが、今後技術を発展させてより多くの対象を自動で認識できるようになるのでしょうか?

―そうですね、より多くの情報をAIによる情報抽出で取得できればと考えています。ただ、機械化には、課題もあります。

例えば、看板の文字認識に関しても、既に取り組んでいます。ただし、こちらは研究段階で試行錯誤を繰り返しています。

また、全国を調査していると分かるのですが、市町村によって標識の形が微妙に異なっていたりするのです。例えば、様々な動物が描かれる「動物注意」の看板です。シカ・サル・タヌキ・ウサギは国土交通省で標準デザインを作っているそうです。

それでも、タヌキは右を向いていたり左を向いていたり、地域によってデザインがまちまちです。それら以外の動物は各地域でオリジナルの絵柄を使用しているそうです。そのため、同じ標識でも、様々な絵柄の異なる標識があります。

加えて国で統一して決められている標識・表示も、数ヶ月といったスパンでマイナーチェンジがあったりします。そうした変化にも厳密に対応していかないといけません。

絵柄の異なる動物注意標識。

絵柄の異なる動物注意標識。

こういった技術開発を進めて我々が目指すのは、リアルタイムで地図に反映させる未来です。現在インクリメントPの地図は月に1回の地図更新が行われています。しかし、今後はより早く地図を更新することが求められてきています。マンスリーからウィークリーへ、ウィークリーからデイリーへ。より早く道路の変化を地図に反映する。そのためには、現在手動で行なっている作業の多くを機械化する必要があります。もちろん、全てを機械化できたとしても、最終的に地図にするためには必ず人によるチェックは必要ですが。

―そうした地図の実現のためにも、走行調査が今後も必要なのでしょうか?

―はい、走行調査は必要になってくるでしょう。

全ての道路を網羅したインクリメントPの走行画像は大変貴重なものです。最近はドライブレコーダーを積んだ車やタクシーなども増えて走行画像自体は入手しやすくなりました。それでも、全ての道路を網羅できるわけではありません。全ての道路を同じ基準で撮影した走行画像は、今後も必要になってくるでしょう。

インクリメントPの走行調査時は、1時間に1度はフロントガラスを拭き、悪天候を避けて走行調査をします。そして全国の全ての道路を計画に沿って走破します。ハイクオリティな走行調査と走行画像が、インクリメントPの地図を支えています。

ありがとうございます。実際の走行調査と道路データの抽出作業によって、地図ができているのですね。




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