IncrementP MP WORLD+

法人向けサービス お問い合わせ
TOP > デジタル地図入門 > 日本の住所って、どうやって決まるの?地番と住居表示の違いは?街区方式と道路方式ってなに? 住所の疑問にお答えします!(住所データ・番地号編)
2021.08.05

日本の住所って、どうやって決まるの?地番と住居表示の違いは?街区方式と道路方式ってなに? 住所の疑問にお答えします!(住所データ・番地号編)

インクリメントPの、知ればしるほどおもしろい住所特集。今回は「番地・号」についてご説明します!

前回は全国の一風変わった地名をご紹介しました。早口言葉みたいな住所や、住所に見えない住所など。そこには不思議な成り立ちと歴史がありました。
関連記事「住所データ 地名編」は こちら >

今回は、地名の先につく番号の部分、番地と号についてご紹介します。普段何気なく使っている住所ですが、住所の仕組みについてはあまり知られていないのでは?住所がどうやって決まるの?地番と住居表示の違いは?街区方式と道路方式って何?
今回は少しマニアックな住所の仕組みについてご説明します。

日本の住所の基本

日本住所の基本は

・日本の住所は 地名+番地・号 で表現します。
・地名は文字の部分、番地・号は数字の部分のことで、それぞれが種類を持っています。

前回は、「地名」(青部分)についてご紹介しました。
今回は「番地・号」(赤部分)について詳しく解説していきます。

地番と住居表示

普段何気なく使っている住所。配達・郵送や訪問にはもちろん、病院や金融機関、会員サービスの利用など、日常のあらゆる場面で必要になります。そんな私たちの生活に不可欠な住所ですが、住所の仕組みについてはあまり広く知られていません。

例えば、住民登録等に使われる住所登記には2種類の表記方法があることをご存知でしょうか?

法務局が定める地番をベースとしたものと、建物に対してつけられた番号である住居番号と街区符号で構成される住居表示制度によるものです。

地番・・土地に対してつけられた番号
住居番号・・建物に対してつけられた番号

地番と住居表示のイメージ図

まずは地番。地番は土地に対してつけられる番号です。不動産登記や徴税に使われる番号で、法務局によって管理されています。

全国で地番がつけられていない土地は、道路や河川・水路、河川敷、鉄道敷等の官有地、国有地を除いてありません。誰かに所有されている土地はすべて、何らかの地番がつけられています。国有地などでは、広大な区画が1つの地番で管理されているところも存在します。

現在の地番の元になっているのは、明治期に行われた測量です。江戸時代では藩ごとに管理されていた徴税は、明治時代の地租改正によって中央集権化されます。これに伴い、全国的な測量等が行われ、図面が作成されました。この地租改正で作成された図面が、いわゆる「公図」(地図に準ずる図面)です。中央主導の徴税を行うために、全国の土地と所有者を把握する必要があったのです。

明治の測量当時は連番でつけられていて分かりやすかった地番も、代を重ねて土地の所有者が変わるにつれて、土地の併合(合筆)や分割(分筆)が何度も繰り返されました。このことで地番は複雑化し、規則性のない番号に。また、当時とは道路等もかわり、町の境界が一致しなくなり、特に市街地においては地番を使う表記では郵便物の配達や訪問に不便なものになってしまいました。

※合筆・・・相続などにともない、複数の地番を1つにまとめること。
※分筆・・・相続などにともない、1つの地番を複数に分けること。

地番・・土地に対しての番号。同じ地番に建物が0個、あるいは複数個あることも。

 

複雑化した地番を解消するために、1962年(昭和37年)に導入されたのが、住居表示制度です。

度重なる合筆・分筆で複雑になってしまった地番の番号とは別に、市区町村が建物に対して番号をつけます。これを「住居番号の付定」と言います。土地に対してつけられた地番に対して、住居表示制度は各建物に対して住居番号がつけられます。

特に人口の多い都市部では積極的に住居表示制度が導入され、地番に代わって住居表示が住所として使用されるようになりました。

住居表示を行うことで地番による複雑な住所が改善され、目的の場所(建物)の特定が容易になりました。その結果、配達・郵送や緊急車両の案内などがスムーズに。

とはいっても、住居表示を行う地域の住民全員に対して、これまでの住所を変更したりするのはかなり大変。費用や手間がかかります。

そのため住居表示が行われていない地域では、地番をそのまま住所として。住居表示が行われた地域では、住居表示の番号を住所として使用します。そのため、全国では地域によって、地番の住所と、住居表示の住所が混在しています。

住居表示と地番表示を比べると、面積では地番表示が優勢、人が住んでいる建物という観点で見ると都市部で多く住居表示が採用されているので人口ベースで概ね半々という状況になっています。

知ってますか?地番と住居表示で異なる住所の読み方。「1-2-3」は何て読む?

このように、住所として使われる地番と住居表示。実は住所から、それが地番の番号なのか、住居表示の番号なのかを判別する方法があります。それは、住所につくのが「○番地」か「○番」か、「号」がつくかつかないで見分けることです。

地番を用いた住所の場合
「1丁目2番地3」(従来は「1丁目2番地の3」と表記していた)

住居表示の住所の場合
「1丁目23号」

お分かり頂けたでしょうか?地番を用いた住所の場合は「番地」を、住居表示の住所の場合は「」を使用します。ご自宅の住所もこの方法で、地番と住居表示、どちらの住所か判別することができます。

とはいっても、住所は「〇〇市〇〇町1-2-3」のように、「-(ハイフン)」を用いて略式で表されることが多いですよね。この「-(ハイフン)」には、実は住居表示と地番の住所で異なる意味が込められているのです。

住居表示の番号は、どうやって振られるの?実はルールがあります。

住居表示の住居番号は、決められたルールでつけられます。日本では、街区方式というルールで番号がつけられる方法が主流です。街区とは、原則として道路、河川、鉄道等に囲まれた一定の区画のことを指します。街区に対しては街区符号を「○番街区」とつけます。さらにその街区の中で、それぞれの建物に「○号」の住居番号をつけていきます。

街区符号は、起点(1番街区)から順に、隣の街区が連続するように一般的には千鳥蛇行式に番号がつけられます。

千鳥蛇行式

千鳥蛇行式で番号が付けられた例

街区の起点となる箇所(1番街区)の決め方は様々あります。例えば東京23区では、皇居の方角が街区の起点(1番街区)となっています。

街区番号の振り方の事例

 

さらにそれぞれの街区内で、各建物に対して「○号」の番号がつけられていきます。その番号のつけ方も独特です。

まずは街区を囲む道路を5~10メートルの間隔(フロンテージ)に区切り、時計回りに基礎番号がつけられます。そして、建物の入り口が面しているフロンテージの番号が、その建物の住所になります。住居番号の起点となる方角も、各市区町村で定められています。

建物に振られる住居表示のルール

つまり、「〇〇町1丁目2番3号」という住所の建物は、「〇〇町1丁目の2番街区で、3つ目のフロンテージに入り口が面している建物」ということになりますね。建物の入り口が分かるので、郵便物の配達は住居番号の順番にすれば効率的ですね。

この街区方式のルールで決められる住所ですが、場所によっては複数の建物が同じ住所になってしまうことも。
こういった場合は、表札で判別するか、さらに細かい番号(枝番)をつけるなどして対応します。

複数の建物が同じ住所になってしまうことも

変わった街区符号

「○丁目○番○号」の「○番」にあたる街区符号。街区を表す街区符号(呼び名)は、なにも数字だけではありません。

・埼玉県鴻巣市本町1-宮本町

・大阪府大阪市中央区久太郎町4-渡辺

・大阪府大阪市西区千代崎3-中2

MapFanでの宮本町、中2住所検索結果

上記の「宮本町」「渡辺」「中2」も、街区符号の一つ。

例えば宮本町(埼玉県鴻巣市本町)では、かつて存在した町の名前を、住民の希望で街区符号の名前として残しているようです。機械的に番号が振られている地域が多い中で、こうした街区符号は趣深いものがありますね。

外国式の住所(ストリート+ナンバー)は、なぜ日本では採用されないの?

アメリカをはじめ、海外の住所は日本の住所と書き方が異なりますよね。海外の住所は「○○ストリート○番」といったように、通り(ストリート、アベニューなど)を基準に住所が振られているようです。
このように道路を基準に番号を振っていく住居表示を、道路方式と呼びます。

実は日本でも、山形県東根市など、通りを基準に番号を振る道路方式で住居表示を行なっている地域もあります。しかし、ほとんどの地域では街区方式が採用されています。

道路方式よりも街区方式が日本で好まれる背景にはさまざまな理由が考えられますが、大きな理由の1つは日本では全ての通りに名前がついていない(もしくは浸透していない)ことでしょう。

上記のような道路方式を採用するには、まず通りに名称をつけることが必要だということが分かると思います。日本では、一部を除き、通りに名称をつける風習がありませんでした。
明治通りや竹下通りといったメジャーな通りはありますが、細い通り(細街路)にまでは名前が付けられていません。そのため、道路方式の「○○通り○番」といった住所がつけにくかったのではないでしょうか。

 

さて、今回は地番と住居表示についてご紹介しました。少しマニアックで難しい内容になってしまいましたが、奥深い住所の面白さが伝わりましたでしょうか?
普段は気にすることのない住所も、実は面白い歴史や少し変わった点が見つかるかもしれません。

次回は住所特集の最終回。インクリメントPにデジタル地図で使われる住所データについてインタビューしてご紹介します。お楽しみに!

 

地図データベースMapFan DB(住所)についてのお問い合わせは こちら >

地図データベースMapFan DB(住所)についての詳細は こちら>

関連記事「住所データ 地名編」は こちら >

 

関連サービス

関連記事