ジオコーディングって何?
ジオコーディングとは、住所や駅名、地名といった情報に対して、緯度・経度といった地理的な座標を割り当てる技術のことです。本記事では、ジオコーディングを行うために必要な要素や、一般的な実施方法、さらに実際にどのような用途に活用できるのかについて、わかりやすくご紹介いたします。
あわせて、ジオテクノロジーズが提供しているジオコーディングサービスについてもご案内いたします。
デモサイトもご用意していますので試してみたい方は、こちらのデモサイトでお試しください。
ジオコーディングとは、住所や駅名、地名といった情報に対して、緯度・経度といった地理的な座標を割り当てる技術のことです。本記事では、ジオコーディングを行うために必要な要素や、一般的な実施方法、さらに実際にどのような用途に活用できるのかについて、わかりやすくご紹介いたします。
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ジオコーディング(Geocording)とは?
ジオコーディング(Geocoding)、または住所ジオコーディングとは、住所・地名・駅名などの地理情報を、緯度・経度といった地理座標に変換する技術です。基本的に「ジオコーディング」と「住所ジオコーディング」は同じ意味で使われます(以下、この記事では「ジオコーディング」と表記します)。この技術によって、住所や地名を地図上に正確に表示することが可能になります。
例えば、「東京都文京区本駒込2」という住所をジオコーディングすると、対応する座標として「緯度: 35.7272, 経度: 139.7467」といった数値が得られます。この緯度・経度情報を地図サービスに入力することで、該当する地点を地図上に正確に表示することができます。
逆ジオコーディング・リバースジオコーディング(Reverse Geocoding)とは?
逆ジオコーディング・リバースジオコーディングとは、ジオコーディングの逆の処理を行う技術です。つまり、緯度・経度の情報から、対応する住所や地名など人が理解できる情報を取得するための技術です。
※逆ジオコーディング・リバースジオコーディングは同じ意味です。この記事では以降「逆ジオコーディング」に表記を統一します。
逆ジオコーディングは、緯度・経度といった数値情報だけではわかりにくい場所を、人が理解できる具体的な住所や地名として表示するために使われます。逆ジオコーディングによってGPS機能を使った地図サービスやナビアプリで、現在地や目的地をテキスト情報でユーザーに表示することができます。
例えば、緯度:35.7272、経度:139.7467という座標があった場合、逆ジオコーディングを行うことで「東京都文京区本駒込2丁目」といった住所が得られます。これにより、座標だけではわからない場所の情報が明確になり、地図サービスやナビアプリなどでユーザーが理解できる表示として活用されています。
ジオコーディングが「住所 → 緯度・経度」への変換であるのに対し、逆ジオコーディングはその逆、「緯度・経度 → 住所」への変換を行います。この2つはセットで使われることが多く、地図サービスやナビアプリなどの根幹を支える重要な技術です。
なぜ住所情報と緯度経度を紐づけるのか?
住所と緯度・経度を結びつける理由は、主に「場所の見える化」と「情報の共有」にあります。地理的な位置を正確に把握・伝達するために、ジオコーディングや逆ジオコーディングが重要な役割を果たしています。
配送や移動をスムーズにするための「見える化」
例えば、ある商品を「〇〇市**町1-1」に配送してもらいたい場合、その住所だけではドライバーが場所を正確に把握できない可能性があります。そこで、住所を緯度・経度に変換して地図上に表示すれば、目的地の位置が視覚的にわかりやすくなり、迷わずに配達先に到着できるようになります。
情報をわかりやすく「共有」するため
タクシーに行き先を伝える場合、『緯度が***で、経度が***』と伝えても、運転手は緯度経度の数値では場所が分からず、また、カーナビに緯度経度を入力する機能があったとしても数字を間違えると正しい場所にたどり着けません。緯度経度を住所に置き換えて伝えることで、タクシードライバーとタクシー利用者間で認識しやすくなるのです。
つまり、ジオコーディングは「人と人」あるいは「人と機械」が正確に場所を理解し合うための“共通言語”のようなものです。地図を使ったサービスや位置情報を活用するあらゆるシーンで、この技術が支えになっています。
今回は一般的なジオコーディングを行うにあたり必要なものやジオテクノロジーズが提供しているジオコーディングサービス、また、ジオコーディングを利用した便利な事例をご紹介します。
ジオコーディング(Geocording)、逆ジオコーディングに必要なものは?
ジオコーディング(Geocoding)を行うには、「住所データ」「座標データ」「ジオコーダー」が必要です。これらが組み合わさることで、例えば「東京都文京区本駒込2丁目」といった住所を、「緯度 35.728287834526、経度 139.74869610784」という正確な地図上の位置に変換することが可能になります。
1. 住所データ
ジオコーディングの出発点となるのが住所データです。
ただし、住所には「2丁目」「二丁目」といったように表記ゆれがあるため、変換精度を高めるには、さまざまな表記に対応できる網羅性の高いデータが必要です。
現実的には、全国の住所を一から自力で収集するのは難しいため、多くの場合は地図データベースや外部サービスが提供する正規化済み住所データを利用します。ジオテクノロジーズでは住所正規化サービスを提供しています。興味のある方はこちらから資料をダウンロードしてください。
2. 座標データ
住所を地図上にプロットするには、緯度・経度といった座標データが不可欠です。
この座標データは、非常に高精度で管理されており、わずかな数値の違いで場所が数メートル単位でズレてしまうこともあります。特に、施設の場所や建物単位での位置情報を扱う場合は、誤差の少ない精密なデータが求められます。
逆ジオコーディング(座標→住所)でも同様に、正確な座標データが必要です。
3. ジオコーダー
ジオコーディングを実行するためのエンジンが「ジオコーダー」です。
これは住所と座標を相互に変換するためのプログラムで、住所を入力すると対応する緯度・経度をデータベースから検索して返します。例えば、「東京都文京区本駒込2丁目」と検索した際、該当するデータが存在すればその地点の座標が返されます。該当するデータがない場合でも、ジオコーダーは都道府県や市区町村レベルといった上位の行政区単位で座標を補完表示することも可能です。
住所データ、座標データ、ジオコーダーの3つが揃ってはじめて、住所を地図上の正確な位置に変換するジオコーディングが可能になります。この技術は、地図アプリやカーナビ、配送管理、位置情報マーケティングなど、さまざまなサービスで活用されています。正確なジオコーディングは、位置情報を活かすすべてのサービスにおいて、信頼性と効率性を支える土台です。
ジオコーディングしようとする住所リストが、市区町村合併や区画整理などの住所変更が反映されていなかったり、アラビア数字、漢数字、全角、半角などのユラギにより同じ住所が複数存在し名寄せできていなかったりすると正しくジオコーディングできない場合があります。
住所データの説明でも紹介しましたが、ジオテクノロジーズでは住所リストを最新の住所に変換してくれる住所確認サービスを提供しています。興味がある方はこちらの住所確認サービス紹介ページをご確認ください。
ジオコーディング(Geocording)、逆ジオコーディングをする方法
実際に住所から緯度・経度を取得するジオコーディングを行う方法には、大きく分けて以下の3つがあります。それぞれの特徴を理解し、用途に合った手法を選びましょう。
1. 地図サービスを使って手動で検索する
MapFanなどの地図サービスを利用すれば、住所を入力して検索するだけで緯度・経度を取得できます。手軽に使えるのがメリットですが、1件ずつ手作業で検索する必要があるため、大量のデータを扱うケースには向いていません。個人利用や少数データの確認には適しています。
2. APIを活用する
ジオコーディングAPIを使えば、より効率的に緯度・経度を取得できます。用途に応じて、以下の2つの方法があります。
A. Webツールを使う
オンライン上のジオコーディングツールを利用し、住所を入力して緯度・経度を取得します。操作が簡単で導入しやすいですが、こちらも大量処理にはやや不向きです。
B. 自社システムにAPIを組み込む
より本格的に活用するなら、ジオコーディングAPIを自社システムに組み込み、住所データをシステム内で自動変換する方法があります。定期的に大量の住所データを処理する企業にとっては、業務効率を大幅に高められる選択肢です。
3. ジオコーディングサービスを利用する(アウトソーシング)
ジオコーディング処理を外部の専門業者に依頼する方法です。住所リストを渡すだけで、緯度・経度の情報に変換してもらえるため、専門知識がなくても対応できます。特に、大量のデータを一度に処理したい場合や、リソースが限られている企業におすすめです。
ジオテクノロジーズのジオコーディングサービス
ジオテクノロジーズでは、ジオコーディングサービスを3つの異なる形式で提供しています。Web API、Excel(マクロ)、アウトソーシングサービスの3つです。
1.Web API
Web APIを利用すれば、ジオコーディング機能を自社のアプリケーションやシステムに組み込むことが可能です。
リアルタイムで住所から緯度・経度を取得し、そのままアプリケーション上で活用できるため、カスタマイズ性の高い業務システムやWebサービスとの連携に最適です。特に、業務フローに応じた柔軟なジオコーディングが求められるシーンや、自社独自の要件に合わせて開発を進めたい企業に向いています。
ジオテクノロジーズが提供しているジオコーディングWebAPIサービスでは無料トライアル版もあります。無料トライアルに興味のある方はこちらからお申込みください。
2.Excel(マクロ)
普段からExcelを活用している企業には、マクロを使ったジオコーディングもおすすめです。
住所リストをExcelに入力し、マクロを使ってワンクリックで緯度・経度を自動取得。複雑な開発不要で、手軽に住所情報を地図データに変換できます。
日常的にExcelでデータ管理や集計を行っているビジネスユーザーにとって、非常に扱いやすい方法です。少量~中規模の住所データを一括で処理したいときにも便利です。
3.アウトソーシングサービス
ジオテクノロジーズはジオコーディング(Geocoding)のプロセスを完全にアウトソーシングするサービスも提供しています。このサービスを利用することで、企業は自社で行うジオコーディングにかかる手間を省き、専門家による高精度なデータ変換を受けることができます。これは、大量のデータを扱う企業や、ジオコーディング(Geocoding)に関する専門知識がない企業に適しています。ジオテクノロジーズのアウトソーシングサービスに興味のある方はこちらからお問い合わせください。
ジオコーディング(Geocording)、逆ジオコーディングの活用事例
【ケース1】物流業界の安全運転の維持や適切な業務状況の確認のための『運転日報』
運送業界では、安全運転を確保し、適切な輸送ルートを管理するために「運転日報」の作成が不可欠です。運転日報には、運転の開始地点や終了地点、主要な経由地や休憩地などを記録する必要がありますが、すべての地点の住所を正確に把握するのは手間がかかります。
ここで役立つのが「逆ジオコーディング」という技術です。逆ジオコーディングを利用することで、GPSから取得した運転中の緯度経度データをもとに、正確な住所を簡単に自動で入力できるようになります。これにより、日報の作成がスムーズになり、作業の効率化が図れます。
消防・救急緊急車両クラウド型動態管理システム導入事例資料ダウンロードは こちら>
【ケース2】不動産業界の物件管理
ある不動産会社では、1万件以上の賃貸物件を取り扱い、全物件の地図情報を自社のウェブサイトに掲載しています。しかし、物件情報は頻繁に更新されるため、数千件の物件を手作業で地図に表示するのは非常に手間がかかり、現実的ではありません。
この問題を解決するために、住所データを自動的にジオコーディングし、緯度・経度情報を付与するシステムを導入しています。この方法により、常に最新の物件情報を効率よくウェブサイトに反映させることができ、運用コストを削減しながらサービス品質を向上させています。
不動産サイトへの導入事例資料ダウンロードは こちら>
【ケース3】販売店網の把握などのマーケティング活用
メーカーや商社では、地域ごとの販促活動や顧客誘導を効果的に行うために、自社の商品を取り扱う販売店の正確な情報を把握することが必要です。直営店は管理がしやすいですが、直営店以外の店舗は頻繁に変わるため、定期的な確認が必要です。
販売店の場所をすべて手作業で地図に登録するのは非現実的です。ジオコーディングサービスを使えば、販売店の住所リストを提供するだけで、店舗情報を地図上に自動的に表示できます。これにより、販促施策の立案や顧客誘導がより効果的に行えるようになります。また、販売店網を可視化することで、地域分析や強化すべきエリアの把握も可能になります。
人流データをBIツールで分析・可視化できるシステムへの導入事例資料ダウンロードは こちら>
デジタル地図サービスで住所やスポット名を入力して位置を検索し地図で正確な位置を表示させるという、今や当たり前となった使い方も、ジオコーディングの仕組みがあってこそ成り立つのです。
また、正確なジオコーディングができるかどうかは住所データの精度や鮮度が大きく影響します。
ジオテクノロジーズが提供する住所データを含む地図データベースMapFan DBでは、定期的な現地走行調査などの情報収集を元に各種データを最大年12回更新し、鮮度を保っています。MapFanDBに興味がある方はこちらからお問い合わせください。
また、ジオテクノロジーズでは膨大な住所リストをお預かりし、ジオコーディングを行った後、緯度経度を付与した住所リストをお戻しするアウトソーシングサービスも承っています。また、位置情報(緯度経度)から住所情報に変換する「逆ジオコーディング」も可能です。
ジオコーディング関連でお困りの方、地図を使ったサービスを検討していてジオコーディングが必要な方など、お気軽にご相談ください。
法人向けサービスに関するお問い合わせはこちらから
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