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2024.01.31

スマートシティにつながる「MaaS」とは?人流データも保有するMapFanが紹介します。

最近の新聞やニュースでは、「MaaS(マース)」という言葉が頻繁に登場していることにお気づきの方もいるかと思います。実際、この「MaaS」という言葉を耳にする機会は増えていますが、その具体的な内容や意味について詳しく理解していない方も多いのではないでしょうか。そんな、名前は聞いたことがあるけれど、内容までは詳しくないという方々に向けて、人流データや自動運転に必要な高精度地図、ADAS(先進運転支援システム)などMaaSに関わるデータを保有し提供しているMapFanが、MaaSについて分かりやすく紹介します。

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スマートシティにつながる「MaaS」とは?人流データも保有するMapFanが紹介します。

MaaSとは?

① MaaSとは何か?
MaaS(マース:Mobility as a Service)とは、個々の移動ニーズに応じて多様な公共交通機関や他の移動手段を効率よく組み合わせ、検索から予約、決済までを一元的に行うサービスのことです。

<参考>日本版MaaSの推進:国土交通省 より
MaaS(マース:Mobility as a Service)とは、地域住民や旅行者一人一人のトリップ単位での移動ニーズに対応して、複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済等を一括で行うサービスであり、観光や医療等の目的地における交通以外のサービス等との連携により、移動の利便性向上や地域の課題解決にも資する重要な手段となるものです。

MaaSは近年の技術革新に伴いその範囲を拡大し続けています。最近では、従来の交通サービスやシェアリングに留まらず、物流や決済システムなど、多岐にわたる分野にその適用範囲が広がっています。

 

② MaaSの定義
MaaSの定義には、広義の意味と狭義の意味があります。広義は日本特有の考え方で、海外では狭義の定義が一般的です。

広義のMaaS:IoTやAIを活用した新しいモビリティサービス
カーシェア・デマンドバス・マイクロトランジット・相乗りタクシー 等のサービスや、貨客混載・ラストマイル配送無人化等のサービス

狭義のMaaS:マルチモーダルサービス
複数の交通モーダルを統合し、一元的に検索・予約・決済が可能なサービス

参考:経済産業省「IoTやAIが可能とする新しいモビリティサービスに関する研究会」中間整理(2018年10月17日公表)概要

 

③ MaaSの歴史
2012年、サンフランシスコにおいて「E-Mobility as a Service」を主題とする会議が行われ、その後の2015年のフランスで開催されたITS世界会議でMaaSが初めて大きな注目を集めました。
さらに2016年高齢化と公共交通へのアクセス問題を抱えるフィンランドがMaaS事業を開始したことで、世界的に「MaaS」という言葉や概念が広まることとなりました。
日本では2019年からMaaSに関する取り組みへの支援を国土交通省や経済産業省が開始しています。

MaaSのメリット

MaaSの導入は、多くの地域で直面している課題に対する解決策の1つになると期待されています。ここでMaaS導入のメリットを詳しく説明していきます。

 

① 交通渋滞の緩和
MaaSの普及によりタクシーやレンタカーの定額利用やカーシェアリングの普及に加え、複数の公共交通機関を使ったスムーズな乗り換え利用などにより自家用車の利用が減り都市部の交通渋滞が軽減されると考えられています。

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② 物流の効率化
MaaSは物流業界で直面している課題の解決にも有効です。MaaSの導入により物流事業者と交通事業者がデータを共有することで交通渋滞を避けた最適なルートで配送が可能になり、物流の効率化が期待されています。

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③ 観光業界の活性化
MaaSを活用することで観光地への移動が最適化されることによりこれまで交通インフラが充分でなかった地域にも観光客が訪れやすくなり、地域経済の活性化に寄与する可能性があります
さらに多言語に対応したアプリやウェブサービスの提供により外国人観光客の利用が増えインバウンド需要の拡大も期待されます。 

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④ 移動困難者の救済
移動手段が限られている過疎地域では自家用車を使った移動への依存が避けられない状況にあります。過疎地域で高齢者が運転免許を返納してしまうと移動手段がなくなり移動が困難になるケースが多く見られます。
このような移動困難者の問題に対処するためにもMaaSが注目されています。自動運転や配車サービスなどの新しい交通サービスの導入によって移動困難者の移動支援の実現が可能になります。

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⑤ 地域活性化
MaaSを利用した移動手段の改善が実現すると移動に困難を抱える方でも街に出かける機会が増え地域の活性化が期待できます。
観光業の活性化でもご紹介したように観光資源は豊富でも空港や新幹線駅から観光地へのアクセスが不便で観光客の獲得に苦戦している地域に対してMaaSを導入することにより観光による地域活性化の可能性も出てきます。

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⑥ 自動車の排気ガスの量削減
自動車が出す排気ガスは人間や生物、自然環境に悪影響を及ぼす物質に変わり、酸性雨や光化学スモッグなどの大気汚染を引き起こしてきました。また、自動車の排気ガスは地球温暖化の一因もとされています。地球温暖化が進むと気温の上昇が加速し、人類の生存環境に影響を与える恐れがあります。持続可能な社会を目指す上で自動車の利用を減らし排気ガスを削減することが重要です。
持続可能な社会を作るために自家用車の利用を減少させ排気ガスの排出量削減させるMaaSの開発と普及が世界中で進められています。

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⑦ 交通機関の運営を最適化
MaaSによって収集されたデータをリアルタイムで監視したり分析したりすることにより、公共交通機関の運用を効率化することが可能です。データの監視や分析により運行スケジュールの調整や増減便の管理が行えるようになり、事業の収益性を向上させることができます。
また、MaaSによって収集されたデータは、採算が取れない路線の統廃合を検討する時などにも活用が可能です。

タクシーと路線バスの長所を掛け合わせたAIによるリアルタイム便乗配車計算の採用事例 資料ダウンロードはこちら>

 

⑧ スマートシティの実現
MaaSは、車両の位置情報、乗客数、公共交通の詳細など、膨大なデータを収集しています。これらのデータをAIで分析することで、スマートシティの構築が可能になります。道路の渋滞状況や交通機関の利用状況をリアルタイムで把握し分析すれば、渋滞を避けたストレスフリーな移動ルートや移動手段を見つけ出すことができます。
さらに、移動ルート上にある観光地や商業施設と連携することで、イベント情報を通知したり、割引クーポンを配布したりすることも可能です。

場所を指定してピンポイント広告が打てる「トリマクーポン」記事はこちら>

MaaSのレベル

MaaSの5つのレベル
MaaSの評価と発展を測る一つの基準として、「MaaSレベル」という指標があります。これはスウェーデンのチャルマース大学の研究者たちが考案したもので、交通手段の統合の度合いに基づいてMaaSを5つのレベルに分類する方法です。

レベル0 統合なし
個々独立したままのサービスを提供する。
電車、タクシー、Uberなど。
レベル1 情報の統合
様々な交通サービスの料金や交通情報を統合して提供し、検索できる段階。
ジョルダン、Navitimeなど。
レベル2 検索、予約、決済の統合
スマホアプリなどによって一括比較でき、予約・決済が一連で可能な段階。
レベル3 サービス提供の統合
公共交通に加えてレンタカーなども統合したサービスや料金や契約形態が統合された状態。
レベル4 政策の統合
国や自治体、事業者が、都市計画や政策を作成する上で交通について協調して推進する最終段階。

 

MaaSの課題

2023年の時点で、日本のMaaSはまだ発展途上にあり課題も多くあります。その中でも下記の2つが大きな課題です。

 

① データの共有と公開
MaaSの普及には、乗客データや移動サービスデータの共有と公開が重要です。しかし、日本ではデータを外部に公開することに消極的な傾向があり、データ活用の不足はビジネスチャンスの損失やデジタルトランスフォーメーションの障害であり、MaaS導入の大きな課題となっています。

 

② 法律の整備
日本の法律がMaaS普及の大きな障壁となっています。例えば、アメリカのUberのような一般のドライバーが自家用車で客を運び対価を得るサービスは、日本では「白タク」として道路運送法で禁止されています。法律の規制緩和が進んできていますが、MaaS普及のために法律整備は不可欠です。

MaaSは自動運転を促進させる

自動運転技術の進化はMaaSの普及を加速させていくといわれています。自動運転車はMaaS普及レベル4に値するサービスで、自動運転車の普及は交通サービスの統合を進化させ、利便性向上につながるでしょう。自動運転車でタクシーやバスのサービスが提供されれば、MaaSのレベルがあがり排気ガスの削減や混雑回避につながるでしょう。

このようにMaaSの導入により、シームレスな交通サービスが可能となり、公共交通の利便性向上が期待されます。また、自家用車所有率の減少により都市部の渋滞軽減も期待できます。日本はMaaSの普及はまだ初期段階にありますが、多くの企業が自動運転や交通サービスの最先端技術を導入しています。

ジオテクノロジーズは自動運転に欠かせない高精度地図や日本全国の道路を網羅した道路ネットワーク、道路に関する規制データ、鉄道ネットワークなどMaaSを実現するために必要なデータを数多く整備保有しています。自動動運転や最先端のサービスをご検討の際にはぜひジオテクノロジーズにお問い合わせください。

 

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