地図を持って箱根を歩こう
ますます高まる箱根人気はなぜ?
箱根と言えば日本を代表する観光地。一時は大涌谷周辺の火山活動の影響も心配されましたが、平成29年の観光客数は火山活動が活発化する以前の平成26年をも上回る結果となっています(※箱根町調べ)。とくに近年では、外国人観光客にも大人気で、例えばアメリカ人の宿泊人数が最も多い町は東京、京都を抑え1位なのだとか(観光予報プラットフォーム推進協議会調べ)。
日本人、外国人を問わず、観光地としての人気がますます高まっている箱根ですが、箱根のいったい何がそこまで人々を引きつけるのか? 箱根の大きな特徴でもある地理、地形の視点から紐解いてみたいと思います。
地形が織りなす自然を体感
箱根と聞いて「箱根駅伝」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。起伏に富んだ山道が織りなす数々の難所が見どころの一つ。この箱根ならではの起伏はどのようにして生まれたのでしょうか。
箱根エリアは箱根山と呼ばれる神奈川県箱根町を中心に、神奈川と静岡の両県にまたがる火山体によってできたカルデラです。カルデラとは「火山活動によってできた大きな陥没地」。カルデラの直径は約11km。阿蘇カルデラの半分程度ですが、「大規模なカルデラと、中央火口丘」で構成された世界でもめずらしい三重式火山です。そして縄文後期、中央火口丘が水蒸気爆発を起こして誕生したのが芦ノ湖です。富士山を横に切ったような形をした古期外輪山。そして一番高い神山(高さ1,438m)を中心とした山々と、川や湖、草原といった豊かな自然が、箱根ならではの美しい景色を作り出しています。
箱根といえばやっぱり温泉!
箱根は、古くから「箱根七湯」と呼ばれ、今では箱根二十湯と呼ばれるまでに、さらに多くの温泉場が人気を博しています。
箱根の温泉は「温泉のデパート」と呼ばれるほど豊富な泉質を持っています。温泉は火山から生まれる自然の恵みです。前述のように箱根そのものが火山が生み出した自然であり、その恩恵を人々は享受してきたわけです。
それでは、地理的な視点から箱根の代表的な温泉を紐解いていたいと思います。
1)湯本温泉
箱根温泉の歴史は古く、中でも「湯本温泉」は奈良時代の開湯と伝えられています。鎌倉時代には武将たちの湯治記録も残されていると言います。江戸時代には全国的に有名な温泉場として大いに賑わいました。また箱根の「玄関口」として、小田急ロマンスカー、箱根登山鉄道、バスの乗り換え場など、地理的条件も箱根湯本に活気をもたらす要因と言えます。お土産物屋や飲食店が並ぶ商店街を散策しながら、食べ歩きやそぞろ歩きも楽しいエリアです。
2)仙石原温泉
フランスの宝飾品やガラス工芸品のミュージアム・・。豊かな自然とともに楽めるアートスポットが人気の千石原エリア。
広大なすすきが絨毯のように敷き詰められた草原が美しい台ヶ岳も見どころの一つ。9月からは黄金色の穂と緑のすすきのコントラストが、10月には黄金色にきらめくすすきの大海原が広がります。
そんな仙石原の温泉は、箱根・芦ノ湖の北側に広がる仙石原高原周辺の温泉地です。芦ノ湖から金時山の麓にかけて温泉宿が点在しています。神奈川景勝50選にも選ばれたまさにSNS映えするスポットです。
実は、約2万年前、このエリアは芦ノ湖の湖底だったと言われています。噴火でできた火口原湖が神山の大規模な爆発によって大量の溶岩が流れ、やがて湿原高原となり今に至ります。
温泉地として利用されるようになったのは江戸時代中期頃から。今では、下湯、上湯、元湯、俵石、仙石の温泉の総称となっています。
3)宮ノ下温泉
箱根の中でも特に人気の高い「宮ノ下温泉」。幕末以降、多くの外国人の逗留し、エキゾチックな雰囲気の温泉場として栄えてきました。「富士屋ホテル」といった著名な建築も多く、レトロモダンなムードが楽しい温泉地です。昔ながらの温泉街の情緒を楽しみたい方にはうってつけのエリアです。箱根湯本からバスや電車も出ていて、アクセスの良さも魅力です。
宮ノ下温泉は、室町時代に源泉が発見され、江戸時代には湯治場として栄えました。江戸時代後期から明治時代にかけて、外国人の保養地として栄え、世界中の著名人が訪れています。
温泉は水質はナトリウム-塩化物泉で、神山の地下を巡るマグマの溜まりから、塩化ナトリウムなどを含む火山性水蒸気が、 地下の帯水層を流れる「重炭酸塩硫酸塩泉」に混入して生成されます。宮ノ下温泉ならではの、肌に優しい水質が癒やしを与えてくれます。
「THE日本」を堪能!
箱根は、日本人から見ても「日本らしさ」が凝縮された観光地。外国人の方が東京でも京都でもなく、まず箱根を目指すのもうなずけます。写真映えも間違いなしの絶景スポットを目指して出かけてみてはいかがですか。
1)紅葉
日本の景観の美しさはの魅力は「四季が織りなす自然」にあるのではないでしょうか。中でも秋の風物詩「紅葉」は、日本人にとってはもちろん、外国人の方にとっても心打たれる景観。紅葉を目当てにわざわざ秋に来日する観光客も多いといいます。箱根は日本有数の紅葉名所。見頃は、芦ノ湖を皮切りに、仙石原、強羅、そして小涌谷へと下っていくように進んでいきます。高低差があるため標高が高い地域は東京よりもひと月ほど早く木々が色づき始めます。
2)富士山
富士山は世界にも知られる日本のアイコン。箱根には雄大な富士山の姿を一望できる絶景スポットが数多くあります。自然豊かな景観に毅然と佇む富士の姿は、まさに日本人の原風景そのもの。外国人の方にとっても一度は訪れてみたい絶景として絶大な人気を博しています。朝、昼、夕方、春夏秋冬、そして天候によってすべて見せる表情が違うのも富士山の魅力。ぜひとも写真に収めたくなる富士山の絶景スポットに訪れてみてはいかがですか。
何と言っても、日本の「超一級」がエリアの中で全て楽しめてしまうのが箱根の魅力ではないでしょうか。箱根には、まだまだたくさんの魅力が詰まっています。箱根に行ったことのある方もそうでない方も、スマホを片手に少し違った視点で箱根の魅力を探してみてはいかがでしょうか。
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