都内の桜の名所を歩いてみたら、歴史について考えさせられた。
四月は桜のシーズン!桜は開花したかと思ったら、あっという間に散ってしまいます。その儚く美しい様は私たちの心を惹きつけてやみません。今回は、桜の名所を歩いてみました。皆さんご存知の桜の名所を、少し変わった見方でご紹介します。
四月は桜のシーズン!桜は開花したかと思ったら、あっという間に散ってしまいます。その儚く美しい様は私たちの心を惹きつけてやみません。今回は、桜の名所を歩いてみました。皆さんご存知の桜の名所を、少し変わった見方でご紹介します。
旧芝離宮恩賜庭園
まずは旧芝離宮恩賜庭園。浜松町駅から歩いてすぐの都立庭園で、隠れた桜の名所です。浜松町のビルとサクラを一緒に眺めるのも、また風流なことでしょう。
写真)浜松町駅徒歩1分の旧芝離宮は正に都会のオアシスです。
旧芝離宮恩賜庭園は江戸時代に造られた庭園です。もともとは海岸に面しており、潮入の池がありました。潮入の池とは海水を取り入れた池で、当時は満潮時と干潮時で風景が大きく変わったのだとか。今は埋め立てなどにより海水の取り入れは出来なくなってしまい、池は淡水の池になっています。古地図と見比べてみると、このあたりの海岸線も大きく変わってきていることが分かります。時代によって、色々なものが変わっていくのですね。
芝公園・増上寺
写真)東京タワーと増上寺と桜、見どころがたくさんありました。
続いては東京タワーのすぐ隣にある芝公園と増上寺。スカイツリーよりも東京タワー派、なんて人も多いのでは?その東京タワーの近くにあるのが増上寺です。外国人観光客も多いこのエリアは、実は桜も素晴らしい。桜とお寺と東京タワー!この最高な組み合わせを、芝公園・増上寺エリアでは楽しめます。
写真右)猫も特等席でお花見していました。
そんな増上寺、開山は1393年。今から600年以上も前です!以来、浄土宗の大本山として、人々の心の拠り所になってきました。芝公園はその増上寺をグルっと囲む大きな公園。日本で最も古い公園の1つなのだそう。園内には古墳やサクラの木々、人口の渓流など、たくさんの見どころがあります。この公園でサクラを見ながらのんびりしたいものです。
千鳥ヶ淵
次に千鳥ヶ淵にやってきました!言わずと知れた桜の名所。「千鳥ヶ淵で昔君と見た夜桜が恋しくて」、なんて歌詞もありますね。そんな千鳥ヶ淵は、皇居の北西側のお堀です。江戸城拡張の際に局沢川という川を二つの土橋で塞いだものがお堀となりました。
写真)約700メートル続く緑道をピンク色の桜が包み込んでいました。
千鳥ヶ淵を江戸時代の地図で見てみると、今もほとんど同じ形で残っていることがわかります。ただ一つだけ大きな変化があって、江戸時代の千鳥ヶ淵は半蔵濠とつながっていました。半蔵濠は代官町通りを挟んで千鳥ヶ淵と隣り合うお堀の一部で、千鳥ヶ淵公園に面しています。千鳥ヶ淵公園に面しているのが千鳥ヶ淵でなく半蔵濠の方だなんて、なんだかややこしいですね!もともと繋がっていた千鳥ヶ淵と半蔵濠は、1900年に道路建設による埋め立てのためわかれてしまったのです。こうした変化を追っていくのも、また面白いものです。千鳥ヶ淵に歴史あり、ですね。
六義園
最後は六義園。六義園もまた、都内で有名な桜の名所です。こちらはしだれ桜が有名だそう。しかし、しだれ桜は普通のサクラよりも時期が早く、残念ながら今年はもう散ってしまっているようです。来年はぜひ行ってみたいですね!
写真)四季折々の姿を見せる六義園。やっぱり桜はとても綺麗です。
六義園が出来たのは1695年。柳澤吉保が、自身の下屋敷があった駒込に造った庭園です。柳澤吉保は自ら設計し、7年もかけてこの庭園を完成させたのだとか。造園時から、小石川後楽園と並び江戸の二大庭園として讃えられ、五代将軍綱吉は頻繁にこの庭園に訪れたそうです。明治時代に入り三菱創業者である岩崎弥太郎が買い取り再整備し、のちに東京市に寄付されてからは一般に公開されるようになりました。
今回は都内の桜の名所を巡ってみました。桜はもちろん、桜の名所には桜以外にもたくさんの見どころがありましたね。今回気づいたのですが、桜の名所には歴史の深い場所が多いようです。何百年という歴史の中で、変わったものもあれば変わらないものもある。その長い歴史の間、桜の花は毎年春の訪れを告げていたのでしょうか。そんなことを考えると、なんだか目の前の桜がとても愛おしくなります。お花見の際はぜひ、その場所の歴史や由来を調べてみてはいかがでしょうか。きっとお花見がより一層すてきなものになるはずです。
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