自転車専用通行帯とは?標識の違いと電動キックボード対応を解説|自転車ルーティングデータの活用例も紹介
道路の路肩に「自転車専用」と書かれた青いレーンを見かけたことはありませんか?
道路で頻繁に目にするようになった「自転車専用通行帯」。この専用レーンは自転車の利用者、そして最近だと、免許不要で運転可能となった電動キックボードでも利用できるようになりました。しかし、このレーンを利用するには遵守すべきルールやマナーがあります。一方で、クルマを運転するドライバーの方々にとっても、車道に隣接するこの自転車専用通行帯の存在とそのルールを理解しておくことは、交通事故を防ぐために重要です。今回は、「自転車専用通行帯」の基本的な規則を紹介します。規則を知って安全で快適な運転を心がけましょう。
道路の路肩に「自転車専用」と書かれた青いレーンを見かけたことはありませんか?
道路で頻繁に目にするようになった「自転車専用通行帯」。この専用レーンは自転車の利用者、そして最近だと、免許不要で運転可能となった電動キックボードでも利用できるようになりました。しかし、このレーンを利用するには遵守すべきルールやマナーがあります。一方で、クルマを運転するドライバーの方々にとっても、車道に隣接するこの自転車専用通行帯の存在とそのルールを理解しておくことは、交通事故を防ぐために重要です。今回は、「自転車専用通行帯」の基本的な規則を紹介します。規則を知って安全で快適な運転を心がけましょう。

自転車専用通行帯(自転車レーン)とは?
都市部を中心に広がる青いレーン。これが「自転車専用通行帯(自転車レーン)」です。見たことはあるけれど、正確な意味や使い方までは知らないという方も多いのではないでしょうか。ここでは、その定義や設置条件、類似の表示との違い、そして利用時の注意点について解説します。
自転車専用通行帯の定義と設置要件(青レーン+標識)
自転車専用通行帯(自転車レーン)とは、大きな道路の路肩付近に設けられた、自転車専用の青いレーンのことを指します。ただし、正式には「青い矢羽根マーク」が描かれており、かつ「自転車のマーク+専用」と表示された標識が設置されている場所を指します。この2つの要素がそろって初めて、自転車専用通行帯として認められます。つまり、青く塗られた道路面だけ、あるいは標識だけでは、自転車専用通行帯とはみなされません。
2023年7月の法改正により、電動キックボードは16歳以上であれば運転免許なしでも利用できるようになりました。この改正に伴い、電動キックボードも自転車専用通行帯の走行が可能となりました。ただし、通行時の速度は20km/h以下に制限されています。これは安全確保のための措置であり、必ず守る必要があります。
自転車専用通行帯(自転車レーン)と自転車ナビマークとの違い
自転車専用通行帯(自転車レーン)とは別に自転車ナビマークというものもあります。むしろ、自転車ナビマークのほうが一般的ともいえるかもしれません。「自転車専用通行帯(自転車レーン)」と「自転車ナビマーク」は、両方とも道路上にペイントされていますが、表示方法が異なり、その目的と機能も違います。
「自転車専用通行帯(自転車レーン)」は、自転車や電動キックボードのために指定された走行スペースです。前述のように、青い矢羽根マークと「自転車のマーク+専用」の標識があることで、そのエリアが専用の通行帯とされ、原則として他の車両は進入できません。バイクなどがすり抜けで進入する例もありますが、これは交通違反として取り締まりの対象になることがあります。
一方、「自転車ナビマーク」は、自転車利用者が目的地まで安全に走行できるよう案内するためのマークです。自転車道の継続を示したり、目的地までの方向を示したりするものですが、法的に自転車専用という意味は持ちません。したがって、一般車両と共用することも多く、自転車を保護する効力はないことを覚えておく必要があります。
自転車専用通行帯(自転車レーン)でドライバーが注意すべきポイント
自転車専用通行帯は、自転車や電動キックボードなど、特定の交通手段のために確保された空間です。自動車ドライバーは以下の点に特に注意する必要があります。
・自転車専用通行帯(自転車レーン)上への駐停車
自転車専用通行帯(自転車レーン)上での駐停車は基本的に避けるべきです。多くの地域で禁止されており、駐停違反として罰則が科される可能性があります。停車が許可されている地域でも、自転車の通行を妨げ、事故のリスクを高める可能性があるため、停車時間も最小限にすべきです。
・自転車専用通行帯(自転車レーン)を横切る場合
自動車が左折する際、一時的に自転車専用通行帯(自転車レーン)に入るのは法律上問題ありません。しかし、安全のためには早めに左折し、自転車の進行を妨げないようにしましょう。後方や側方から来る自転車に注意し、スムーズに曲がることが重要です。
・狭い道に設定された自転車専用通行帯(自転車レーン)
狭い道路では、自転車と自動車の事故が起こりやすいため、特に注意が必要です。自転車ナビラインがある場所も多く、道が狭くなる前には「この先自転車注意」の看板が設置されていることもあります。このような状況では、自転車との接触を避けるため、十分に注意して運転する必要があります。
※自転車ナビラインは自転車専用通行帯(自転車レーン)とはことなり、自転車の通行を助けるための案内マークですので、一般的には特定の法的な罰則や反則金は適用されません。
ジオテクノロジーズは自転車専用通行帯を含む、自転車ルーティングデータや歩行者向けのルートデータも整備保有しています。
歩行者ナビや自転車ルートと組み合わせた複合ルート検索のシステムの開発も可能です。
電動キックボードは自転車専用通行帯を走れるの?最新法規まとめ
2023年7月から施行された道路交通法の改正により、特定小型原動機付自転車(特定小型原付)に該当する電動キックボードは、公道走行が可能になりました。特に「自転車専用通行帯を走れるのか?」という点を中心に、最新のルールをわかりやすく解説します。
どこを走れる?特定小型原付の通行場所ルール
特定小型原付の電動キックボードは、車道と歩道、もしくは路側帯の区別がある場合には、原則として「車道の左側端」を走行しなければなりません。右側通行は禁止されています。
また、以下のような場所では、それぞれのルールに従って走行可能です。
● 自転車道がある場合
車道の左側端に加えて、「自転車専用通行帯(自転車レーン)」の走行も可能です。自転車道は、青いラインと「自転車道」などの標識で示されています。
● 自転車専用通行帯(自転車レーン)がある場合
車道ではなく、自転車専用通行帯を走行します。この通行帯は、車道上に白線などで区切られ、「普通自転車専用通行帯」といった標識が設置されています。
● 歩道を走れるのは一部のケースのみ
通常の特定小型原付は歩道を走ることはできませんが、「特例特定小型原付」の要件を満たしていれば、指定された歩道を通行できます。ただしこの場合でも、歩道の中央寄りや車道側を走行し、歩行者の妨げになる際には一時停止が求められます。
歩道を通行できる「特例特定小型原付」とは?
歩道を通行できる特例特定小型原付には、以下の条件が求められます。
・歩道を走行している間は、緑色の「最高速度表示灯」を点滅させていること
・車体の構造や設定により、6km/hを超える速度を出せないこと
・側車(サイドカー)が付いていないこと
・ブレーキが走行中でも簡単に操作できる位置にあること
・車体に鋭い突起部がないこと
違反した場合の罰則は?
交通ルールに違反した場合は、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科される可能性があります。特に右側通行は禁止されており、注意が必要です。
特定小型原付に該当する電動キックボードは、原則として車道の左側端を通行し、「自転車道」や「自転車専用通行帯」も走行可能です。ただし、道路標識の指示やエリアごとの規定に従う必要があるため、しっかりと交通ルールを確認し、安全に走行しましょう。
安全・利便・まちづくりに活きる自転車ルーティングデータ
近年、都市部での自転車利用が増加するなか、自転車での安全でスムーズな移動を支える「自転車ルーティングデータ」が注目を集めています。地図情報サービスを提供するジオテクノロジーズでは、自転車向けの規制を考慮したルート探索に活用できる「自転車ルーティングデータ」をご提供しています。
通行規制を考慮したルート探索が可能に
自転車ルーティングデータとは、自転車の走行に特化した各種情報を含んだ地図データのことです。具体的には以下の要素が含まれています。
・自転車通行止め・車両通行止めの看板情報
通行規制のある道路リンクを視覚的に把握可能です。
・自転車属性データ
路線ごとの通行可否や規制条件などを利用したルーティングが可能です。
対応エリアは、東京・名古屋・大阪といった大都市圏を中心に、有名なサイクリングロードの名称データも整備されており、実用性が高いのが特徴です。
月次更新+独自調査で高精度を実現
ジオテクノロジーズの自転車ルーティングデータは毎月1回、年間12回のペースで更新されています。更新にあたっては、自治体からの最新情報に加え、ジオテクノロジーズ独自の走行調査や画像解析も活用。標識の位置や実際の通行状況を正確に反映することで、利用者の信頼性を高めています。
自転車ルーティングデータの多様な活用シーン
自転車ルーティングデータは、様ざまなシーンでご活用いただけます。
1. 自転車ナビゲーションやアプリ開発に
通行規制や看板情報を考慮したルート探索が可能となるため、走行中の安全性や利便性を向上 させたナビ機能の実装に貢献します。
例えば、サイクリスト向けに通行しやすいルートを作成したり、自動車向けに自転車専用通行 帯があるなどの注意喚起を表示するなどの対応が可能です。
2. 観光コンテンツや地域MaaSとの連携に
観光施設や商業エリアをつなぐ「自転車で回れる安心ルート」を設計することで、地域周遊促進に貢献できます。またシェアサイクルサービスとの連動や、地域イベントなどと絡めたモデルコースの作成など、観光DXとの親和性も高いデータです。
3. 交通・都市計画分野での調査・分析に
通行規制や標識の分布情報から、自転車事故のリスク分析、新モビリティ(電動キックボードなど)の導入調査にも応用可能です。人流データなど他の統計データと組み合わせることで、より精密なエリア分析が可能になります。
自転車ルーティングデータは、従来の地図情報にとどまらず、安全・快適な自転車移動を支えるインフラの一部となりつつあります。観光、都市整備、交通安全など、幅広い分野での活用が期待されるこのデータ。自社アプリや地域施策など目的に応じた具体的な活用方法や導入事例についてもご紹介可能ですので、「自社でも活用してみたい」と感じた方は、ぜひ一度お問い合わせください。
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