IncrementP MP WORLD+

法人向けサービス お問い合わせ
TOP > デジタル地図活用術 > 道路走行画像から、標識・標示(ペイント)自動検出システムで標示(ペイント)の劣化具合を相対評価
2022.09.12

道路走行画像から、標識・標示(ペイント)自動検出システムで標示(ペイント)の劣化具合を相対評価

前回は道路走行画像データと標識・標示(ペイント)自動検出システムを紹介しました。今回は、標識・標示(ペイント)検出システムに備わっている標示(ペイント)の劣化判定・自動データベース化機能とモバイルを利用したツール等について紹介いたします。標示(ペイント)の劣化判定についてはその相対的な判定方法についても詳しく紹介します。

標識・標示(ペイント)自動検出システムの詳細は こちら>

道路走行画像から、標識・標示(ペイント)自動検出システムで標示(ペイント)の劣化具合を相対評価

ジオテクノロジーズの道路走行画像データ

ジオテクノロジーズは地図整備のために、実際にカメラを車両の前後に取り付けた自動車を走らせ全国の道路を5m毎に撮影しています。この道路走行画像から規制情報、道路看板、標識、信号機やその他の様々な情報をAIによる自動検出で取得し地図に反映させています。この道路走行画像の中には今回紹介する標示(ペイント)の情報も含まれています。この情報を使って標示(ペイント)の劣化判定に活用しています。

道路走行画像の詳細は こちら>

道路走行画像を相対評価し、客観的な道路状況調査を可能に

標識・標示(ペイント)検出システムには道路の標示(ペイント)の劣化状態を相対評価する機能※もあります。横断歩道などの標示(ペイント)がどの位剥がれているか、認識しづらくなっているかをランク付けする機能で、この機能を使うと標示(ペイント)の劣化具合を客観的に把握できます。

この機能は相対評価で標示(ペイント)の劣化状況の判断と条件抽出を行う点に特徴があります。具体的にその評価方法をみていきましょう。まず道路走行画像データが全てのもとになります。その画像データに写っている標示(ペイント)の色の濃淡(白/グレー/黒)から道路状況の判断と条件抽出を行います。標示(ペイント)の劣化状況を分かりやすくスコア化するために、走行画像を白と黒の2色に変換する処理をします(画像2値化)。

また画像の撮影位置によっては標示(ペイント)のサイズの大小という違いもでてくるでしょう。そんな場合でも俯瞰図変換をして、なるべく均一化させた画像データを作成します。

※写真のひし形マーク(左写真)を俯瞰図変換(右画像)

標示(ペイント)の劣化スコアの計算方法は横断歩道とその他の標示(ペイント)で異なります。どちらも標準偏差を利用しています。

標示(ペイント)の劣化スコアの計算式の意味を簡単に説明すると、色の濃淡を判定し、その濃淡のバラツキ(色のちらばり)が大きいほど、低いスコア(相対的に劣化している)になります。このスコアを参考にして補修の必要性が疑われる標示(ペイント)を抽出することができるのです。どの場所にどれくらいスコアの低い標示(ペイント)があるか抽出することが可能です。

※標示(ペイント)の分析方法
※標示(ペイント)の劣化状態を相対評価する機能は標準機能ではなくオプション機能となります。

スマートフォンを利用した交通規制情報収集ツール(AR+AI)

道路走行画像は大規模な地域の標識・標示(ペイント)のデータ取得ができます。そのため効率的に標識・標示(ペイント)の位置/種別のデータベース化が可能です。一方で、データのピンポイントな更新や変化する道路状況への即時対応には適していません。その弱点を補完し、即時更新、高鮮度にデータを保つためのツールがスマートフォンを使った交通規制情報収集ツールです。

まずスマートフォンで、標識・標示(ペイント)の画像を取り込むことによって、現地確認調査ができます。具体的には調査したい標識・標示(ペイント)の写真をスマートフォンで撮影し中央の基幹システムに送信するだけで標識・標示(ペイント)の場所・種別などを判断してデータ追加ができます。難しい操作はありません。この手軽さで標識・標示(ペイント)のデータベースの部分的な更新メンテナンスができるのです。また、過去データとの比較も可能で標識の追加・削除の状態の記録に活用することもできます。

画面例:AIによる交通規制標識の自動判定と標識の場所(緯度・経度)を自動算出

モバイルツール利用の例

・住民の方からの要望箇所を現場で撮影、最新の情報に更新。(要望回答も写真で説明できる)
・データベースに表示されているこの場所の標識はちがうのでは?と感じた場所の確認/更新が可能。(定期更新とは別にスポット更新が可能)

このツールはAIでデータを判別し自動で中央の基幹システムに入力されます。システムに直接入力されるのでデータを送信すれば現場のデータ入力で完結、レポートなど他の作業は発生しません。現場で調査した内容をデータ入力し、中央へ提出、中央で再度データ入力、といった作業の手間も省くことができ、現場の負担軽減につながります。

今回は、標識・標示(ペイント)自動検出システムの標示(ペイント)の劣化具合の相対的なスコア化機能、更新性を高めるモバイルツールなど、前回に続き標識・標示(ペイント)管理業務の効率化、高精度化を実現する提案をご紹介しました。

システムのより詳しい情報をお知りになりたい方は下記よりお問い合わせください。

標識・標示(ペイント)自動検出システムのお問い合わせは こちら>
MapFan の法人地図製品へのお問い合わせは こちら>

 

関連サービス

関連記事