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2019.05.27

ニュースで気になる単語、『MaaS』とは?全ての交通を包括した革新的な取り組み。

最近カーシェアリングや自動車運転といったニュースでよく見る『MaaS』という言葉をご存知でしょうか。聞いたことのある人も、説明するのは難しいのでは?そんな知っているようで詳しくは知らない『MaaS』についてご紹介します。

MaaSとは

MaaSイメージ。

MaaSとは、Mobility as a Serviceの略で、あらゆる移動手段を統合した1つの移動サービスを提供するという考え方、サービスです。具体的には、スマートホンなどで目的地までのルート検索、予約、そして全ての支払いまでを一括で行えるようなサービスのことを指します。現在日本ではバスや電車などのルート検索や運賃比較などは出来ますが、支払いはそれぞれの交通会社にその都度支払い、予約もそれぞれの交通会社に対して行わないといけません。さらに公共交通機関だけでなく、タクシーや自動車、レンタサイクルなども含めた包括的な移動手段を1つのサービスとして提供する、ということがMaaSの考え方です。

Maasは2015年にできた新しい考え方でまだ定義にばらつきがあるのですが、一般的には『自動車やレンタサイクル、電車・バスなどの公共交通機関などの移動サービスを1つに統合し、必要に応じて利用する』と定義されます。また、この定義に加えて、『各交通手段の利便性を高めるためにデータの連携やプラットフォームの開発・整備していく取り組み』も、広義でのMaaSとされています。例えば自動運転なども、利便性を高める仕組みの1つとしてMaaSの取り組みの1つと捉えられることもあります。

MaaSの目的

革新的な取り組みのMaaSですが、交通の利便性を高めることで交通の課題や環境問題の解決につながると考えられています。都市部では、移動の効率化によって自家用車による移動が減少し、交通渋滞の緩和や排気ガスの抑制が見込まれます。また地方においては、バスと物流の融合や、タクシーなどのライドシェアによる交通手段の維持が期待されています。

カーシェア。

MaaSのレベル

MaaSの仕組みを評価・発展させていく指標の1つに、MaaSレベルがあります。これはスウェーデンのチャルマース大学の研究者たちがまとめた指標で、交通手段の統合度合いに応じてMaaSのレベルを5段階に分けるやり方です。

レベル0 統合なし
個々独立したままのサービスを提供する。
電車、タクシー、Uberなど。
レベル1 情報の統合
様々な交通サービスの料金や交通情報を統合して提供し、検索できる段階。
ジョルダン、Navitimeなど。
レベル2 検索、予約、決済の統合
スマホアプリなどによって一括比較でき、予約・決済が一連で可能な段階。
レベル3 サービス提供の統合
公共交通に加えてレンタカーなども統合したサービスや料金や契約形態が統合された状態。
レベル4 政策の統合
国や自治体、事業者が、都市計画や政策を作成する上で交通について協調して推進する最終段階。

この指標でいうと、現在の日本ではレベル1あたりにあります。ジョルダンやNAVITIMEなどの乗り換え案内が情報を統合し、各鉄道会社とバスなどを使ったルート・運賃の検索が行えます。しかし、予約や支払いは個々の会社に対して行いますし、会社をまたいだ乗り放題などのサービスなども少ないのが現状です。世界的に見ても現在のMaaSはレベル3が最高で、レベル4に至った例はないと言います。最終的なレベル4のMaaSでは、MaaSが蓄積した交通のデータと総合的な移動性の提供を政策や都市計画と結びつけ、地域の活性化や課題解決に活かしていくことが可能になります。

現在の日本ではまだレベル0やレベル1といったサービスが多いですが、様々な企業や政府でMaaSの発展・普及に向けた取り組みが行われています。レベル2やレベル3、そしてレベル4など、さらにMaaSが発展・普及することで移動時間が最適化され、交通問題の解決だけでなく働き方改革などにも効果が期待されます。

日本のこれからを大きく変えるであろう新しい概念、MaaS。MaaSの推進による交通の最適化が、日本のさらなる成長へ鍵になるかもしれません。

 

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