道路走行画像と画像認識を組み合わせた標識・標示(ペイント)検出システムをご紹介!
今回は標識・標示(ペイント)の設置、撤去、補修などの維持管理に利用するデータベース構築に活用できる道路走行画像データと標識・標示(ペイント)自動検出システムを紹介します。ジオテクノロジーズはこの道路走行画像データとシステムを全国の都道府県警に提案中です。
今回は標識・標示(ペイント)の設置、撤去、補修などの維持管理に利用するデータベース構築に活用できる道路走行画像データと標識・標示(ペイント)自動検出システムを紹介します。ジオテクノロジーズはこの道路走行画像データとシステムを全国の都道府県警に提案中です。
都道府県警の要望にお応えする標識・標示(ペイント)データと検出システム
都道府県警の業務の1つに標識や横断歩道などの標示(ペイント)管理があります。都道府県警は定期的に標識や横断歩道などの標示(ペイント)の状況調査を行い、データベース化しています。一方で、これらの調査はヒトが動くことを主体とした調査であることから作業量やコストが膨大になるという難題も持ちあわせています。ジオテクノロジーズはこの難題を解決するために、標識・標示(ペイント)の調査業務を効率的に実現する方法を提案しています。
ジオテクノロジーズは日本全国の地図データを整備している地図のメジャーカンパニーです。その地図整備の情報収集のために前後にカメラを取り付けた車で全国の道路を実際に走行し、5mおきに道路の画像を撮影しています。この画像を道路走行画像データと呼んでいます。この道路走行画像データの中には各都道府県警が調査・データベース化したい標識・標示(ペイント)の情報が含まれています。
道路走行画像データを活用することであらためて調査をせず、必要な標識・標示(ペイント)情報をシステムで自動抽出・データベース化するが可能です。この手法を全国の都道府県警に提案しています。
ジースキャンのAI技術を活用したシステムを利用して道路走行画像から必要情報を認識・抽出を行います。このシステムで各都道府県警から共通で求められる下記の3つの要望を実現することができます。
要望1 交通規制情報データベース作成
要望2 交通規制情報の高メンテナンス及び精度向上
要望3 維持管理の効率(色情報から劣化の把握及び更新時期の選定)
今回の記事では要望1、要望2の実現について紹介します。
標識・標示を自動抽出(計測・解析)・データベース化するジースキャンのシステム
このシステムでは上述したようにジオテクノロジーズの道路走行画像データから標識・標示(ペイント)の緯度・経度を自動計算します。自動計算した緯度・経度から地図上に標識・標示(ペイント)の位置が標示されます。
次に、ジオテクノロジーズの道路走行画像データから、交通規制情報をAIにより5つの情報のデータ抽出をします。
①交通規制標識(103種別)の抽出
②横断歩道・ゼブラゾーンの面積算出
③道路幅算出(センターライン・路側ライン)
④補助標識の文字読取
⑤交通規制標識等の劣化判断
※道路規制標識以外のPOIの抽出
5つの情報をもとに各都道府県警で必要とされる「標識・標示(ペイント)の種類の判別」「標識・標示(ペイント)位置」「横断歩道・ゼブラゾーン等の面積算出」、 「道路幅算出(センターライン・路側ライン)」、「 補助標識の文字読取」など道路の重要なデータを算出することができるシステムになっています。以下のようにレイヤーを分けることで、こうしたデータの算出を可能としています。
特に交通規制標識(103種別)は都道府県警から共通で要望がある特に大切な抽出項目です。
※103種別とは一般道路における標識や標示(ペイント)のこと
標識・標示(ペイント)を自動抽出するシステムでは道路走行画像データの画像処理や情報抽出がシステムの要となります。このジースキャンのシステムではセマンティックセグメンテーションによって道路面領域を識別し、道路規制情報を正確に検出します。セマンティックセグメンテーションとは画像のピクセル(画素)一つ一つに対して、何が写っているかといった、ラベルやカテゴリを関連付けるAIの機能です。
道路走行画像データからどのようなデータを抽出できるのかを事例を見ながら見ていきましょう。
横断歩道、標識など抽出対象に登録してあるオブジェクトを、道路走行画像データから自動的に認識・抽出しデータベース化されていきます。一枚の画像データからだけでも様々な種類のオブジェクトが抽出されます。道路走行画像データがいかに多くの情報が含有され価値の高いデータかわかります。
逆光の場合や悪天候時に撮影された道路走行画像からも、人間が画像で認識できるレベルであれば、きちんと認識し抽出データベース化されます。
今回は、ヒトが動くことを主体とした現地調査を、ジオテクノロジーズが保有する道路に関する情報を多く含んだ道路走行画像データを活用することにより、標識・標示(ペイント)管理業務の効率化を実現する提案をご紹介しました。
次回は、引き続き標識・標示(ペイント)の色の識別による相対的な劣化の判断、抽出機能やモバイルシステムを用いた効率的なメンテナンス方法の詳細をご紹介いたします。
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