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2019.07.25

『自動車開発を楽しくする!』自動運転の未来を描くシミュレーション・ソフト ウェア『CarMaker』についてインタビューをしてきました!

「一番の目標は、自動車開発を楽しくすることです。」こう話すのは、IPG Automotive株式会社の小林祐範社長です。自身も自動車メーカーで開発に携わった経験があり、現在は自動車開発向けバーチャル・テスト・ドライビングのシミュレーション・ソフトウェア『CarMaker』を提供するIPG Automotive株式会社の社長を務められています。

今日の車への安全性・快適性・効率性への要望の高まりや排ガス規制の対応など開発者の負担が大きくなる中、自動車開発におけるシミュレーション・ソフトウェアの役割やその未来について、小林社長にお聞きしました!

『自動車開発を楽しくする!』自動運転の未来を描くシミュレーション・ソフト ウェア『CarMaker』についてインタビューをしてきました!

IPG Automotive株式会社はどういった会社ですか?

自動車開発用のシミュレーション・ソフトウェアを開発・販売するIPG Automotive GmbH(https://ipg-automotive.com/jp/)というドイツに本社がある会社の日本法人です。同社は35年前にドイツのカールスルーエ大学(現在のカールスルーエ工科大学)の学生が研究の延長として、教授とともに設立した会社です。以来ビークルダイナミクスをベースに、自動車開発を支援するシミュレーション・ソフトウェアを開発・販売してきました。日本法人は2014年に、初の海外拠点として設立されました。

IPG Automotive 株式会社では、自動車開発用シミュレーショ ン・ソフトウェアの販売とそれに関連するエンジニアリングのサポートを行っています。シミュレーショ ン・ソフトウェアは、乗用車および小型商用車向けのCarMaker 、大型商用車向けのTruckMaker、二輪車向けのMotorcycleMakerの3種類を販売しています。また、日本ではまだ多くの販売実績はありませんが、ドイツ本社の方ではHILS(Hardware-In-the-Loop Simulation)の開発・販売等も行っています。さらに、それらの導入や運用へのサポートとして、エンジニアリングサービスも行なっています。特にエンジニアリングは力を入れている部分です。外資系の会社というのはサポートが遅くなりがちですが、当社は国内でしっかりとしたサポートができるように体制を整えてきました。「どうしてこんなに対応が早いの?」と驚かれることもあるのですが、外資系のイメージを良い意味で裏切っていきたいですね。

自動車開発におけるバーチャル・テスト・ドライビングの役割とは?

自動車開発におけるバーチャル・テスト・ドライビングの役割の多くは想定しない事への検証です。例えば新しい機能を追加した場合、新機能の検証作業自体はおおよそ 2割で、その他8割は〇〇センサーが欠けたなど通常ではほとんど起こらない事態を想定して、正しく走行できるかといった検証になります。今までは開発の後半になって、実車を使い様々な検証項目を大変な労力をかけて行っていました。しかし、シミュレーション・ソフトウェアを使用したバーチャル・テスト・ドライビングでは、試作車がない開発初期の段階から様々な検証を行うことが可能です。

また、バーチャル・テスト・ドライビングによる検証は、従来の実車検証よりコストがかかりません。マネキンを使った車の衝突実験の映像をご覧になったことがあると思いますが、そうした検証は数を重ねるたびに車が損傷します。最終的な実車検証は必要ですが、バーチャル・テスト・ドライビングでは全て計算上で検証するので遥かにコストがかからないのです。

このようにバーチャル・テスト・ドライビングを活用して開発を効率化すれば、それまで自分たちでテストしていた労力や時間やコストを他の開発に回すことができます。例えば、ヨーロッパの自動車メーカーには個性的なところが多い気がするのですが、これは自動車の個性や魅力をどう出すかといった部分に力を入れられているからだと思います。日本でもバーチャル・テスト・ドライビングによって検証をより効率化できれば、そういった部分にもっとウェイトを置けるでしょう。自動車の機能自体はエンジニアが開発し、果てしない機能検証はバーチャル・テスト・ドライビングが効率化していく。そして結果的に、自動車開発のエンジニアの方々に、心から楽しんで車作りをして欲しいです。

IPG Automotiveのシミュレーション・ソフトウェア、CarMakerの強みは何ですか?

まずドライバーの運転操作をベースにしたバーチャル・テスト・ドライビングはCarMakerの強みの1つです。ビークルダイナミクスのバーチャル・テストにおいて当社も最初は車両モデルを中心に開発していたのですが、その過程で「車があったら当然ドライバーも要るよね」という話になりドライバーモデルの開発に力をいれました。今ではCarMakerのドライバーを想定したバーチャル・テストは他社製品では真似できない部分になっています。普段運転をする時に私たちは自然とアクセルやブレーキを踏んだり、ギアを入れたりしますよね。その「自然と」という部分をCarMakerは再現します。他社の製品では例えばステアリング角やアクセル回転を時系列データで細かく入力しないといけないことが多いのですが、CarMakerは試験車両を選択しドライバーの傾向を簡単なGUI 画面で入力するだけで人間の判断に近い運転操作でバーチャル・テストできます。開発の初期段階であるコンセプトフェーズから車両モデルとドライバーモデルがあり、車両を利用した試験環境と変わらないテストシナリオを実行できるので、開発の早い段階からクライテリア(判定基準)が明確にできます。これは大きな強みだと思います。

また、様々な他社のシミュレーション・ソフトウェアやHILSとも組み合わせて使えるオープン性も、CarMakerの特長の1つです。他社のバーチャル・テスト結果とCarMakerのバーチャル・テスト結果を相互に反映させることによって、全体と部分の両方で精度の高いバーチャル・テストを行えます。何社もの他社ソフトを連携させることができるので、足りない部分は他社のものを使えばいい。それらをつなぐプラットフォームとしての役割を、CarMakerは果たせると考えています。

どうして自動車開発のシミュレーション・ソフトウェアに地図が必要なのですか?

まず、排気ガスの規制であるRDE(Real Driving Emissions:公道路上排ガス試験)で、地図を用いたバーチャル・テスト・ドライビングが必要になってきました。RDEは、例えば「全体で○時間以上かけて走行しなさい。そのうち3割は市街地、2割は高速道路。残りを郊外で高低差は○m。」といった指標があります。その要求を満たすコースを見つけて、そこでの排気量を調べないといけません。その際に精度の高い道路データがシミュレーション環境に必要になります。また、以前の試験では道路の勾配は意識されていたものの、停止や曲がることがあまり考慮されない直線的な走行試験でしたが、曲がることや走行停止の蓄積がボディーブローのように効いていることが分かってきました。さらに、2015年に米国で発生した排気ガス不正が大きな問題になり、より厳しくなりました。それ以降、カーブや停止なども考慮して、より一層正確に道路や地形を把握することが必要になってきました。日本ではインクリメントP社のナビ用地図データを試験的に導入して開発しています。現実に近い地図データがより正確なバーチャル・テスト・ドライビングに繋がると期待しています。


(インクリメントPの道路ネットワークデータを元にした大橋ジャンクションのシミュレーション画面)

また、自動運転の開発も、バーチャル・テスト・ドライビング無しでは不可能と言ってもよいでしょう。自動運転開発の究極は、ソフトウェア上に道路・人・もの・自動車など全てを構築し、クラウドやスーパーコンピューターを用いた分散処理・高速演算によるリアルタイムのバーチャル・テスト・ドライビングを現実に反映させる、といったものになってくると思います。そのあらゆるフェーズで、シミュレーション・ソフトウェアを使用したバーチャル・テスト・ドライビングが必要になってきます。そしてバーチャル・テスト上で自動車を走らせるに当たって、当然精度の高い道路データが必要になってきます。

最後に、小林社長の目標を教えてください

IPG Automotive株式会社を設立して5年が経ちました。会社が繁栄するというのはもちろん1つの目標ではありますが、それ以上に日本の車作りをもっと楽しくしたいです。バーチャル・テスト・ドライビングが機能面での検証を担う代わりに、浮いた労力でもっと個性のある日本車を作ってほしいです。そして車の開発は楽しいと、エンジニアの方々に思って欲しいです。それを実現するためのプラットフォームとして、CarMakerが存在できればと思います。

 

 

IPG Automotive株式会社様のホームページはこちら
https://ipg-automotive.com/jp/

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