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公開日:2025.04.02 更新日:2025.04.18

新規店舗出店の戦略とは?決めるべきことや具体的な方法を解説

実店舗の新規出店を成功させるには、緻密な出店戦略を立てて実行することが不可欠です。店舗を出店する場所やコンセプトをデータにもとづいて決めていくことで、エリアの特性や顧客のニーズとの乖離を減らし、高い収益性を見込めます。

本記事では、新規店舗出店における戦略を練る際の基本的な考え方をはじめ、出店戦略において決めていくべきことと、具体的な決め方などについて解説します。

出店を予定しているエリアの居住者・来訪者の属性や、行動特性から出店戦略を高度化できる人流データについてもご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

また、本サイトを運営するジオテクノロジーズでは、位置情報データを活用した店舗向けマーケティング支援サービス「店舗カルテ~来店顧客のカスタマイズ分析~」を提供しております。出店戦略へのデータ活用をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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出店戦略とは、新規店舗の出店にあたって立案する戦略のこと

出店戦略とは、新規店舗の出店にあたって立案する戦略や方針のことです。出店計画全体の指針となるため、新店舗の出店が決まったら、最初に出店戦略を立てることが大切です。

出店戦略を推進する過程では、多岐にわたる業務を行う必要があります。
出店を想定しているエリアの人口構成や年齢比率、地理的な特性を分析するなどして、新店舗のコンセプト、運営の方向性、売上高の見込みなどを決めていかなくてはなりません。

出店戦略を正しく立て、適切に実行できれば、自社の強みと潜在顧客のニーズが合致する店舗を作れるでしょう。

弊社では、店舗に特化したマーケティング支援サービス「店舗カルテ~来店顧客のカスタマイズ分析~」を提供しています。勘や経験に頼った「なんとなく出店」を避け、確かなデータに基づく判断が可能になります。失敗を避けて、成果を出したい方は、併せてご覧ください。

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出店戦略で決めるべきこと

出店戦略で決めるべきことは、主に6つあります。それぞれについて詳しく解説します。

出店戦略で決めるべきことは、主に6つあります。それぞれについて詳しく解説します。

店舗の方向性やコンセプト

出店戦略では、新店舗の方向性やコンセプトの策定が必要です。具体的には、新店舗の業種や業態、販売する商品、提供方法、デザインなどを決めなくてはなりません。

「新店舗がどのような店か」を決めることで、開店後の運営やターゲットとなる顧客層への訴求などを、一貫性のあるものにできるでしょう。

ターゲットとなる顧客層

ターゲットとなる顧客層の明確化も、出店戦略で決めるべきことのひとつです。ターゲットの年代や性別、年収、家族構成、ライフスタイル、趣味、消費傾向などを、できるだけ具体的に想定します。

これにより、後述の出店エリア・立地の選定や、集客・マーケティング戦略などが決めやすくなります。

出店エリア・立地

出店戦略では、新店舗を出店するエリア・立地を選ぶ必要があります。出店エリア・立地としてふさわしいのは、ターゲットとなる顧客層が多く住んでいる・訪れる場所です。

出店エリア・立地を選定するには商圏分析を行い、エリアの市場の大きさや住民の属性、嗜好、ライフスタイル、生活水準のほか、交通事情なども把握する必要があります。

人がいつ・どこに・何人集まり・どう移動したのかといった情報を持つ人流データを活用すると、ターゲットの顧客層の行動パターンを把握でき、出店エリア・立地の選定に役立ちます。

資金計画・運営コスト

資金計画・運営コストも、出店戦略で決めるべき重要な要素です。当然ながら、新規店舗の出店には、テナント契約費、内装費、什器・機器・システム導入費などの初期投資が必要になります。また、開店後は家賃、人件費、水光熱費のほか、商品や材料の仕入れ費用などがかかります。

これらを試算し、必要な資金を調達しなくては、出店はできません。自己資金を投じるか、融資や補助金・助成金を活用するといった選択肢があるため、自社の状況に合わせて決めましょう。

また、月々の運営コストを計算に入れながら、商品・サービスの価格、月ごとの売上目標なども決めていく必要があります。

競合店舗への対策

出店戦略の立案過程では、競合店舗への対策も決める必要があります。出店エリア内には競合店舗がどれくらいあり、それぞれどのような特長を打ち出しているかなどを調査し、自社はどのような特長を出せばいいかを検討しましょう。

なお、完全に業種が一致する競合だけでなく、類似した商品・サービスを展開している店舗についても調査しておくことが大切です。例えば、ドラッグストアを展開するなら、薬やメイク用品を置いているコンビニについても分析が必要です。

集客・マーケティング戦略

集客・マーケティング戦略も、出店戦略で決めておくことが大切です。店舗出店戦略は、出店して終わりではありません。出店後も、顧客に魅力を感じてもらうための取り組みを継続する必要があります。

オープン時の集客につながるプロモーションや、オープン後のリピーター獲得のためのキャンペーンなどを、あらかじめ考えておきましょう。

出店戦略の立案や市場・競合分析の主な方法

日本国内における繁華街の人混みの写真

出店戦略の立案や、市場・競合を分析する方法は複数あります。主な方法について解説しますので、ぜひ参考にしてください。

商圏分析:自店舗の潜在顧客を把握する

商圏分析とは、出店を予定しているエリアの人口や市場のボリューム、地域特性、競合の数などを調べ、ターゲットとなる潜在顧客がいるかどうか、を確認することです。

商圏分析の手順は下記のとおりです。

1. 商圏を設定する

商圏分析では、最初に商圏を設定します。「店舗の半径◯km以内」「店舗から徒歩◯分圏内」といった範囲を商圏として設定したり、人流データを使って「出店候補地周辺を訪れる人はどこから来ているのか」を分析した上で設定したりします。

前者の方法は、商圏を簡単に実施できるものの、精度が低くなることがデメリットです。これに対して後者は、人流データを別途取得する必要がありますが、商圏設定の精度が高くなるというメリットがあります。

2. 商圏の市場規模や、潜在顧客の属性・行動を分析する

商圏を設定したら、次は商圏の市場規模や潜在顧客の属性・行動を分析します。これらの分析には、人口データや消費行動データを用いた調査が必要です。また、人流データを活用し、商圏に住む人の属性・行動を分析する方法もあります。

なお、ジオテクノロジーズでは、性別、年代など10種類以上の属性情報を含む人流データを提供しています。これを活用すれば、特定の商圏における潜在顧客の分析を効果的に行えるでしょう。

3. 競合店舗を調査する

商圏の市場規模や潜在顧客を分析したら、次は競合店舗の調査を行います。競合店舗は商圏のどこに出店しており、顧客層や価格帯はどのような状況かといった調査が必要です。

なお、人流データを活用すれば、競合店舗の来店客の属性を調査でき、競合分析に役立てられます。さらに、ジオテクノロジーズの「Geo-Research(ジオリサーチ)」を使えば、競合店舗の来店客に対し、来店理由や店舗の魅力・不満などを聞くアンケートを実施でき、競合店舗のより詳細な調査が可能です。

3C分析・4C分析・4P分析:市場環境や商品・サービスを分析する

出店戦略の立案では、3C分析・4C分析・4P分析といった方法も活用できます。これらは市場環境や商品・サービスの分析に用いるフレームワークです。それぞれの特徴は下記のとおりです。

<3C分析・4C分析・4P分析の特徴>

・3C分析:「Customer(顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つの視点から市場環境を分析する方法

・4C分析:「Customer value(顧客にとっての価値)」「Customer Cost(顧客が支払うコスト)」「Convenience(利便性)」「Communication(コミュニケーションのとりやすさ)」の4つの視点から商品・サービスを分析する方法

・4P分析:「Product(製品・サービス)」「Price(価格)」「Place(販売場所・提供方法)」「Promotion(販促活動)」の4つの視点から商品・サービスを分析する方法

SWOT分析:自社の内部環境・外部環境を把握する

SWOT分析は、自社の内部環境と外部環境を、プラス面・マイナス面の両面で洗い出し、自社の現状を分析するマーケティング手法です。

SWOTは、「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の頭文字を取った言葉で、Strengthは内部環境におけるプラス要素、Weaknessはマイナス要素を指します。Opportunityは外部環境のプラス要素で、Threatはマイナス要素です。

各要素を列挙して整理すれば、自社の現状を客観的に把握することができるでしょう。

PEST分析:外部環境を把握し、現状と将来性を検討する

PEST分析は、自社の外部環境の分析に用いるフレームワークです。
「Politics(政治)」「Economics(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」の4つの観点で外部環境を把握することで、それぞれの現状や将来性を適切に検討できます。

出店戦略を適切に立案するためのポイント

現地調査にあたる日本のビジネスマン

出店戦略を適切に立案するには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。主なポイントは下記のとおりです。

地図の活用に加え、現地確認も行う

出店戦略を立案する過程では、地図データを十分に活用し、その上で現地確認も行うことが大切です。地図データは戦略立案を支える重要なツールですが、現地に足を運ぶことで、状況をより詳しく確認できます。

例えば、「出店予定地が坂の上にある」「来店するには歩道橋を渡る必要がある」といった場合、店舗への距離感は、地図データからの推定とは異なる可能性があります。こうした認識のずれを解消するためにも、現地で確認をするといいでしょう。

店舗の利用履歴を調べる

出店予定の店舗の利用履歴を調べることも、出店戦略を立案する際のポイントです。店舗を前に借りていた事業者や、そこで展開されていたビジネスのほか、どれくらいの頻度で事業者が変わったかといった点も調べることをおすすめします。

たとえ店舗の立地が良くても、テナントの入れ替わりの頻度が高いと、その場所には集客をしにくい理由があるのかもしれません。そのようなデメリットも捉えることで、出店戦略の精度が高まります。

弊社では、店舗に特化したマーケティング支援サービス「店舗カルテ~来店顧客のカスタマイズ分析~」を提供しています。勘や経験に頼った「なんとなく出店」を避け、確かなデータに基づく判断が可能になります。失敗を避けて、成果を出したい方は、併せてご覧ください。

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新店舗の出店戦略には、人流データの活用がおすすめ

新しい店舗の出店を成功させるには、出店戦略を正しく立案し、適切に実行することが大切です。出店戦略を立てる際は、正しい順序で商圏分析を行うだけでなく、人流データを活用して精度を高めることをおすすめします。

ジオテクノロジーズは、ユーザーの行動情報を高頻度で取得した人流データを提供しています。コンビニのような滞在時間が短い店舗を利用したといった行動も把握できるため、ターゲット顧客層の分析を詳細に行えるでしょう。

また、特定の場所にいたユーザーにアンケートを実施できるサービス「Geo-Research(ジオリサーチ)」を組み合わせれば、人流データにユーザーの意識や思考を加えた調査も可能です。新店舗の出店戦略に人流データを活用したい事業者様は、ぜひジオテクノロジーズにお問い合わせください。




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