高速道路のジャンクションとは?インターチェンジと何が違う?
日本の高速道路網は全国各地に網羅され物流の大動脈として日本の経済にとってなくてはならないものとなっています。高速道路網を構成する各高速道路はジャンクション(JCT)という施設で結ばれており、その設計と機能に驚かされることがあります。そのような各高速道路をつなぐジャンクション(JCT)について、詳細な地図データや道路ネットワークデータ、高速施設など高速道路に関するデータを豊富に保有するMapFanが、ジャンクション(JCT)の役割や種類、形状などを分かりやすく解説します。
日本の高速道路網は全国各地に網羅され物流の大動脈として日本の経済にとってなくてはならないものとなっています。高速道路網を構成する各高速道路はジャンクション(JCT)という施設で結ばれており、その設計と機能に驚かされることがあります。そのような各高速道路をつなぐジャンクション(JCT)について、詳細な地図データや道路ネットワークデータ、高速施設など高速道路に関するデータを豊富に保有するMapFanが、ジャンクション(JCT)の役割や種類、形状などを分かりやすく解説します。
ジャンクションとは?インターチェンジとの違いは?
ジャンクション(JCT)、インターチェンジ(IC)、ランプ(Ramp)という言葉を、高速道路の渋滞情報などでよく耳にしますが、それぞれの具体的な意味や違いを知っていますか?急に聞かれると答えに窮する方も多いのではないでしょうか。そんな知っていそうで意外に知らない高速道路の施設について詳しく説明していきます。
まず、ジャンクション(JCT)とインターチェンジ(IC)についてです。国土交通省は下記のように定義しています。
インターチェンジ(IC)とは、立体交差する道路相互間、または近接する道路相互間を連絡路によって立体的に接続する施設です。一般的に本線車線と変速車線および連絡路から構成され、有料道路の場合には必要により料金所が併設されます。
ジャンクション(JCT)は、高速道路相互を直接接続するインターチェンジのことを通常のインターチェンジの概念(一般道路との出入を目的とし、料金徴収施設が併設されている)と区別するため、用いられている用語です。
出典:国土交通省 用語より
簡単に要約すると以下のようになります。
・ジャンクション(JCT)は、複数の高速道路をつなぐ立体的な高速道路の施設
・インターチェンジ(IC)とは料金所が併設されている一般道路と高速道路をつなぐ立体的な施設
高速道路においては、複数の高速道路をつなぐ立体的な施設をジャンクション(JCT)、一般道路と高速道路をつなぐ出入口をインターチェンジ(IC)、と呼ぶことで、道路をつなぐ2つの高速道路の施設を区別しています。
交通渋滞情報でよく聞くランプ(Ramp)とは?
次に高速道路を語る上で、よく耳にするランプ(Ramp)という言葉についてです。ランプ(Ramp)とは、「斜面」や「傾斜路」という意味を持っています。高速道路においてランプ(Ramp)という言葉は、「高速道路同士が立体交差する際に使われる傾斜路」や「一般道と高速道路をつなぐ傾斜路」を指すのが一般的です。
国土交通省はランプ(Ramp)について下記のように定義しています。
ランプ(Ramp)とは、道路を立体交差とする場合において、交差接続する道路相互を連結する道路のことで、「インターチェンジ」や「ジャンクション」の構造の一部となります。
出典: 国土交通省 用語より
簡単に言うと、ランプ(Ramp)とはインターチェンジやジャンクションにおける坂道部分のことをいいます。
一般道から高速道路へとアクセスするためのインターチェンジ(IC)には多くの場合立体交差が採用されています。この一般道と高速道路を繋ぎ、高低差を克服するための坂道部分のことをランプ(Ramp)といいます。正式名称は「ランプ・ウェイ」です。ランプ(Ramp)は、高速道路同士を結ぶ場合にも使用され、その役割は変わりません。
高速道路の入り口側のランプ(Ramp)をオン・ランプと呼び、一方で出口側のランプ(Ramp)はオフ・ランプと称されます。さらに詳しく言うと、オン・ランプは合流や加速を促す「合流車線」や「加速車線」としても知られ、オフ・ランプは車を分流させる「分流車線」や速度を落とす「減速車線」として機能します。
萌える? ジャンクション(JCT)のいろいろな種類と実際の形状
一般の道路では道路をつなぐ場合交差点で信号を利用してつなぐことが多いですが、高速道路では車両が停まることなく各高速道路を行き来できるように立体的なジャンクション(JCT)を使ってつないでいます。
この高速道路をつなぐジャンクションは、周辺の環境や地形、通る車の量、交差する高速道路の数、そして走行する自動車の安全の確保など、多くの要素を考慮して設計されています。日本の高速道路は山間部に作られることも多くジャンクションを作る場合も確保できる平地が限られているためでは、大きな空間を必要とする巨大なジャンクションよりも、より小さなスペースで済むジャンクションが多く採用されています。
ジャンクション(JCT)を通過するだけの利用者にとっては、その構造に気付かないかもしれませんが、地図や航空写真などでジャンクション(JCT)を上から俯瞰して見ると、その設計の複雑さと立体的に交わる道路の美しさを知ることができ「すごいな」と驚かされることがあります。
ここでは、代表的なジャンクションの形式を道路の上下関係まで詳細に表現されているMapFan地図で事例を挙げながら具体的に説明していきます。
① 3枝交差: トランペット型
名前の通り上から見た時にトランペットに似た形状をしているのが「トランペット型」ジャンクションです。この形式はインターチェンジでよく採用されています。ループは一つだけであり、単純な構造をしています。
② 3枝交差:Y字型
【直結Y型】
直結Y字型は、ランプ道路が高速道路本線に直接、最も短い距離で接続されています。交通量が比較的多く、かつ交通量の差が小さい状況に適しています。
【準直結Y型】
準直結Y型は、ランプ道路が高速道路本線に対して間接的に、迂回路を経て接続される形式のジャンクション(JCT)です。栃木都賀ジャンクション(東北自動車道と北関東自動車道が接続)のように一方の道路の交通量がもう一方と比べて大きく異なる場合に適用されます。
③ 4枝交差:タービン型
典型的なタービン型の三郷ジャンクション。この「タービン型」は、二重の円形をしており、多くの立体交巡を持ちながらも、カーブの角度が均一であるため、ドライバーが運転しやすいといった特徴があります。
④ 4枝交差:クローバー型
「クローバー型」と呼ばれるこのジャンクション(JCT)の形状は、上から見ると四つ葉のクローバーのように見えます。各方面に二つの分岐点と二つの合流点が設けられており、利用者にとって分岐や合流が複雑で分かりづらいジャンクションと映ることがあります。この形式の建設には広い土地が必要とされ、広い土地の確保が難しい日本では珍しいタイプのジャンクション(JCT)です。ただ、クローバー型を基にした変形クローバー型ジャンクションは日本各地に存在し、一部では利用者に分岐や合流が複雑で分かりづらいと感じさせないように改良されているものもあります。
⑤ その他:直結型
最後にご紹介するのは、ちょっと変わったジャンクション(JCT)の例です。関東地方にお住まいの方ならよく知る美女木ジャンクションです。
この美女木ジャンクションの一番の特徴は、高速道路上に信号が設置されている点です。高速道路で車が完全に停止するジャンクション(JCT)は、なかなか珍しいのではないでしょうか。
走行時の注意
ジャンクション(JCT)では進行方向が分かれるため、目的地に応じて注意深く進路を選ぶ必要があります。もしジャンクション(JCT)で目的地と異なる方向に進んでしまった場合は、次のインターチェンジで降りてルートを修正しましょう。目的地に向かうために間違えた分岐点まで逆走して戻ることは危険なので絶対にしないでください。
また、ジャンクションから本車線にスムーズに合流するには、加速車線でしっかり加速し、ルームミラーで後方を確認しながら合流しましょう。不十分な加速は逆に危険を招くため、車両間の速度差を最小限にして安全に合流してください。
合流車に対応する際、特に首都高速道路では左右両方からの合流があるため、周りの車に注意して運転しましょう。合流してくる車が自車より速度が遅い場合が多いので、車線を変更して合流しやすいスペースを作ると良いでしょう。
運転行動改善を促す、ドライバーエージェントの実証実験の導入事例資料DLは こちら>
今回は、高速道路をつなぐ高速施設ジャンクション(JCT)に焦点を当てて種類や特徴を紹介しました。MapFanでは、カーナビやドライブレコーダー、物流の動態管理システムなどに利用可能な道路ネットワークデータや高速道路のキロポスト、高速施設データなど高速道路に関連するデータを数多く整備し保有・提供しています。道路に関するデータにご関心がある方は、お気軽にお問い合わせください。
また、「ジオドライブ」という安全運転診断アプリ(スマートフォン用)も提供しています。このアプリはドライバーの運転状況を可視化し、安全運転を行っているドライバーにポイントを付与し安全運転意識を高めていくアプリです。特に工場などの大規模な施設に、多数の従業員が自動車で通勤している企業など、安全運転の向上に取り組みたいと考えている企業の方にお勧めのアプリです。安全運転診断アプリに興味のある方も、ぜひお問い合わせください。