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2019.03.25

日本品質のASEANデジタル地図づくりを目指して① 〜インクリメントPアジアの事業展開〜

2015年1月、私たちインクリメントPは、タイ・バンコクに海外拠点を設立しました。その名も「INCREMENT P ASIA Co., Ltd.(以下、略称 IPA)」。

日本におけるデジタル地図データを活かした「コンテンツ」「地図ソリューション」「ナビゲーション」のサービスを軸に、現地でのデジタル地図市場への本格参入に向けて着々と準備を進めています!

IPAがASEANでどういった活動を展開しているのか、設立から現在までのストーリーを追いながら、今後の展望について現地で話を聞いてきました。

日本品質のASEANデジタル地図づくりを目指して① 〜インクリメントPアジアの事業展開〜

なぜ今、ASEANなのか?

まずは現地で社長を務める西沢さんにIPA設立の経緯についてお話を聞きました。

ーーそもそもなぜタイに拠点を作ったのでしょうか?

西沢さん「IPAをタイに設立したのは必然の流れだったと思います。
タイといえばASEANの中でも自動車の生産台数が多いことで有名です。タイには以前一緒に仕事をしたローカルパートナーもいて、おまけに親日国です。日本ではカーナビ向け地図で世に知られているインクリメントPですが、ASEAN進出もカーナビ向け地図市場の新たな開拓が最初のきっかけでした。
日本地図は自社整備、一方で海外地図はグローバル地図ベンダーからの供給です。様々な思いがあって、ASEAN地図は自社整備に切り替えました」

ーー地図を自社制作に切り替えたのはなぜでしょうか?

西沢さん「お客様から〈地図が古い。間違っている〉といったご指摘をいただいた時に、すぐに自分たちで直すことができないというもどかしさを感じ続けていました。

日々開発が進むASEANでは、地図もめまぐるしく変化していきます。そんな中で、〈常に鮮度の高い正確な地図を提供したい〉というIPAのサービスを実現するには、《自分たちで現地の地図を作るしかない》と考えました」

ーー日本同様、自社で地図データを作ることで、現地のニーズにきめ細かく対応していくということですね。

西沢さん「日本で蓄積してきた地図づくりのノウハウを活かして、現地の人たちへデジタル地図というインフラの便利さを、もっともっと身近なものにしていきたいですね」


(写真左:マネージャーの八木さん、中央:IPA社長の西沢さん、右:マネージャーの増田さん)

ASEANで地図をつくる難しさとは?

ASEANの地図データの作成は、日本にはない難しさがあったそうです。地図づくりは試行錯誤、苦難の連続だったと言います。では、具体的にどんなところが大変だったのか地図開発部門のマネージャーの八木さんに話を聞いてみました。

ーー現地での地図づくりで日本にはない難しさを感じたのはどんなところですか?

八木さん「日本と勝手が違うところはたくさんありますが、まず道路事情が国によって全く異なるため、各国の道路事情を理解するところから始まります。国により、標識のフォーマットや設置ルールが異なるためです。
さらに例えばタイ国内の中でも、標識のフォーマットがバラバラで統一されていないんです」

ーー標識のフォーマットが統一されていないと、地図データへの入力がかなり大変そうですね。

八木さん「そのとおりです。〈走行調査〉で撮影した写真に写り込んだ標識の情報を地図データに1つ1つ入力していくのですが、異なる標識のフォーマットはデータ上統一させる必要があるので、その分の工程が増えてしまいます。
さらに、道路標識と道路路面標示の矛盾(例えば、道路標識は右折禁止、道路路面標示は右折矢印)や、
仮設のような柵で道路を塞ぐため、何が正しいのか、それが一時的なのか、恒久的なのかの判断も難しいため、
現地人の知識や経験も考慮して、判断します。
また、日本なら、道路工事の完成予定や開通情報も事前に公の機関から公表されるものですが、ASEANでは告知はされても予定通りになることはまずないんです。そろそろ開通したかなと思って調査に行ってみてもまだ工事中だったりします」

ーーどうやって最新の道路情報を収集するのですか?

八木さん「現地での道路情報の収集にはSNSやWEBメディアを活用しています。とくにタイでは日本以上にSNSが活発に利用されているので情報収集にはもってこいです。道路情報だけではなく、POIの情報収集にも活用しています。
SNSやWEBで取り上げられた新しい道路情報を自動で採集する仕組みでソーシャルリスニングを行い、効率的な調査に役立てています。
タイは、トラックやバスなどの商用車にGPSを装着することが義務付けられているため、カープローブデータは豊富です。そういったデータを扱っている会社からプローブデータを調達することで、国全域を現地調査しなくても、新しい道路の存在を確認することができます。
タイに限らず、インドネシアなど他の国にもこの方法の適用を始めています。
現地での地図づくりは、ASEANそれぞれの現地事情を把握する必要があります。自国の常識にとらわれず、現地の背景や国民性を理解がすることが必要です」

IPAがASEANで選ばれる理由とは?

こうして出来上がった地図データを活かして、IPAがASEANで展開していく上で強みにしていくことについて、同じく現地でソフトウェア開発を担当するマネージャーの増田さんに話を聞きました。

ーーIPAでは現地でどのようなことを強みとして展開されているのでしょうか?

増田さん「私たちの強みは〈対応力〉にあります。日本のインクリメントPにも言えることですが、正確で鮮度の高い地図制作を行う上で、例えばお客様から〈地図が間違っている、情報古い〉といったご指摘があればすぐに直すということ。それを現地で実現できる体制がIPAにはあるということです。

<地図上で間違っているものを直す>というのは、一見当たり前のことのように感じられるかもしれませんが、それを実現するためには、相応の組織と設備、そして経験値が不可欠です。競合としては、ローカルの地図ベンダーやグローバル地図ベンダーがいますが、この当たり前のことができていない会社が多いです」

ーーでは、そうしたきめ細かいサービスを実現するための課題を教えてください。

増田さん「それは、この広大なASEANという地で、いかに効率的に正確なデータを維持し続けていくかということですね。

その施策の一つとして今取り組んでいるものに〈ディープラーニング(深層学習)〉の活用があげられます。これは、人間が自然に行う作業をコンピュータに学習させる機械学習の手法のことです。走行調査を実施して収集した膨大な画像データの処理を、機械学習で行うことで、地図データの更新を効率的にスピーディーに行うことができます。

日本で長年培ってきた地図作りのノウハウを生かし、現地のどんな環境においても、鮮度の高い地図を維持できる体制が生み出す、きめ細かな地図づくりこそがIPAの大きな強みと言えます」

準備を経て、いざ世界へ!

地図制作に注力した期間を経て、ようやくバンコクの道路をはじめタイの主要都市、10ヶ国の基本地図データの準備が整ったIPA。地図データの整備を進めながら、さらに次のステップへと進むために、どんな構想があるのか、再び社長の西沢さんに話を聞きました。

ーーIPAが目指す次のステップとしてどのようなことをお考えでしょうか?

西沢さん「まずは、現地の人たちに、デジタル地図がいかに便利かをよく知ってもらうことが重要ではないかと思います。とくにインクリメントPの技術の中でも定評のある〈ナビゲーション〉の仕組みをASEAN現地でも活用してもらいたいと考えています」

ーーそれは例えばどういったシーンを想定されていますか?

西沢さん「例えば、ある商業施設に車で向かった際、目的地の位置が、一方通行で車では侵入できないところを目指していたら困りますよね。現在地から的確に目的地までナビゲートしてあげるようなきめ細かなサービスを提供していきたい。
2015年末にAEC(ASEAN経済共同体)が発足して、エリア内での人とモノの動きがますます活発化しています。例えば〈物流〉や〈ライドシェア〉といったASEANならではの分野でのニーズがさらに高まっていくことでしょう。一般ユーザー向けのみならず、例えば〈配送管理〉〈商圏分析〉など、企業のニーズも掘り起こしていきたいと考えています」

現地に特化したデジタル地図の精度、鮮度やナビゲーションの技術、そしてきめ細かな対応力を活かしながら様ざまな課題や要望を解決していく。そんなIPAとともに、デジタル地図を通して現地の人びとの幸せに貢献していければと思います!

→【次回】は、 IPAが手がける「MapFan ASEAN DB」の魅力についてご紹介します




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