テーマパークや観光施設は日本全国から人々を集めており、その地域に大きな経済効果を与えています。
これまでこれらの施設では、アンケートをとるなどアナログな手段で来訪者の分析を行いマーケティングを行うことが中心でした。しかし近年では、スマートフォンの普及により人流データが取得しやすくなっており、デジタルなデータを活用したマーケティングが可能になってきています。
ジオテクノロジーズでは自社アプリ「トリマ」を活用して人流データを収集しており、またその人流データを活用して「あの日あの時あの場所に」実際に訪れた人へアンケートを送信できるジオリサーチというサービスも展開しています。
ジオテクノロジーズの人流データ×リサーチという組み合わせから導き出せる無限の可能性の一つとして、2022年11月に開園した愛知県のジブリパークについて分析を行いました。今回はその分析結果をご紹介します。
人流データを用いたジブリパークの来訪者分析
今回の調査では、ジブリパークの開園日である2022年11月1日から11月18日までに、愛・地球博記念公園を訪れたトリマユーザー約3,200人のデータを分析しました。
その結果、来訪者の約7割が女性で、20代から30代が約6割を占めることが分かりました。ジブリ作品の儚くも優しい世界観が、多くの若い女性にとって魅力的に映っていることが伺えます。
この若い女性層は、マーケティング用語で「F1層」と呼ばれています。F1層は消費意欲が旺盛で新しいトレンドにも敏感なため、多くの業界から注目されている層です。実際に弊社アプリのトリマでもF1層のユーザーが多く、この層にアプローチしたい多くの企業様や団体様からお問い合わせをいただいています。
来訪者の居住地を調べたところ、約76%が愛知県および近隣の岐阜県、三重県からの訪問でした。調査期間は祝日が1日(11月3日)のみで、土日を2回含む通常の週だったため、遠方からは訪れにくい状況でした。それでも約24%が遠方から来訪しており、開園効果が表れていると考えられます。

アンケートを用いたジブリパークの来訪者調査
続いて、人流データから抽出した愛・地球博記念公園の来訪者約3,200人にアンケートを実施し、訪問時の行動や施設への満足度、興味関心などを調査しました。冒頭で述べた通り、テーマパークは地域経済に大きな影響を与えるため、ここでは経済的な側面に注目してご紹介します。
アンケートの結果、来訪者の多くが日帰りで訪れていることが分かりました。愛知県近隣からの来訪者はほぼ全員が日帰りで、遠方からの来訪者も約半数が日帰りでした。また、日帰り客の約半数が当日の消費額を5,000円以内と回答しており、8割以上が1万円以上消費している宿泊客との差が明確になりました。
これらの結果から、愛・地球博記念公園とジブリパークの来訪者は公園内を1日で楽しんで帰ってしまう傾向があり、消費額が少なく地域経済への貢献が限定的であることが課題として浮かび上がりました。
そこで来訪者の興味関心を調査したところ、最も関心が高いのは「国内旅行」で、「テーマパーク」や「スタジオジブリ作品」を上回る結果となりました。このことから、来訪者を名古屋や犬山といった近隣観光地へ誘導することで、宿泊滞在者を増やし、消費を促すことが可能ではないかと考えられます。
ジオテクノロジーズの「トリマ広告」では、位置情報を活用したリアルタイム広告配信が可能です。愛・地球博記念公園を訪れたユーザーに周辺観光地の情報を届けることで、さらなる消費拡大につなげることも期待できます。

最後に
今回はジオテクノロジーズの持つ膨大な人流データと、位置情報を用いたスクリーニングが可能なアンケート機能を使った分析についてご紹介しました。
これらのデータを駆使することで「どんな人が」「どんな思いで」「どんな行動をしたか」を鮮明にすることができます。
これらの情報は、今回の事例のようなテーマパークや観光地に限らず、多くの場面で活用できます。ご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。
※分析に用いたデータ
【対象】
人流データ:愛・地球博記念公園に訪れたトリマユーザー(約3,200人)
アンケート:上記ユーザーに対して配信したアンケートの回答データ(約400件)
【期間】
人流データ:2022年11月1日~2022年11月18日
アンケート:2022年11月19日~2022年11月23日
【手法】
人流データを用いた来訪者の分析と、人流データで抽出した来訪者に対するアンケート調査
法人向けサービスに関するお問
い合わせはこちらから


