IncrementP MP WORLD+

法人向けサービス お問い合わせ
TOP > コラム > ITS世界会議2019に出展!シンガポールでインクリメントPのグローバルな挑戦に迫る
2019.11.21

ITS世界会議2019に出展!シンガポールでインクリメントPのグローバルな挑戦に迫る


2019年10月21日~25日にシンガポールで行なわれたイベントにインクリメントPも参加した。成長目覚ましいアジア地域で、日本で培ったデジタル地図技術をどうやって活用するのか。その可能性に迫ります。

ASEAN10カ国で地図データ提供事業を展開

経済活動が活発化するに従い、人はもとより物流などの往来が盛んになり、その結果として重要度が増してくるのが地図データだ。それを活かせる格好の地域がASEANである。この地域はASEAN経済共同体の発足によって域内貿易が活発化しており、デジタル地図へのニーズはかつてないほど高まっている。

そんな中でインクリメントPは、ASEAN地域10カ国でデジタル地図を法人向けにクラウド経由で提供する事業に本格的に乗り出した。日本の地図データ製作で培ったノウハウを活かし、高品質で高精度な地図データベースを提供。2019年10月にシンガポールで開催された「ITS世界会議2019」に同社が出展したのは、そうした分野に対して自社の技術レベルの高さをアピールすることが目的。同社の第二事業本部海外事業部マネージャー宮原 真氏がASEAN地域での事業展開について説明した。
IPAの宮原マネージャー

それによると、インクリメントPはこの事業を進めるにあたり、2015年1月、タイの地図会社「マップポイント・アジア」と合弁で現地法人「インクリメントPアジア」を設立。その後、同社を完全子会社とし、ASEAN地域内での地図データ製作に本格的に着手した。その地図データを製作するにあたってはまず現地の地図会社から版権を取得し、それをベースにカスタマイズを希望する法人利用に適した各種情報を盛り込む方法を選んだ。加えて、徹底した走行調査を行うことで、日本の地図データに匹敵する品質にまで向上させているのが特徴となる。

写真)タイ・バンコク プロンポンにあるインクリメントPアジア オフィス

日本と同じ手法で走行調査し精度を追い込む

この走行調査は日本と同様に、実際にクルマで道路を走行して情報を収集する方法を採る。たとえば都市部なら建物ごとに住所や緯度/経度情報をリンクさせて建物形状までも表示できるようにするのだ。さらに数mおきに撮影したデータを元に情報が違っていないかをチェックし、道路の種類や信号機の位置、道路標識といった現地の道路情報を地図データへと反映させる。これらの作業は極めて膨大で地道なものであるが、そのすべての作業は「インクリメントPアジア」に従事する100名近くのスタッフが日々行っている。

そして、これによって生み出された地図データベースは、オーダーされた各企業の要望に応じてカスタマイズして納められる。カスタマイズには細かな地図情報の改変が必須となるが、これを自由に行えるのも版権を取得しているからこそ。たとえば、インクリメントPと富士通交通・道路データサービスは、2016年12月にタイ・バンコク市内で道路の「舗装劣化状況把握技術の実証実験」を実施したが、これにより道路の凸凹や劣化状況を診断し、道路上の危険地点などを含めて情報を提供する事業展開に目途を付けた。これも地図データベースの版権を取得して可能となる事業の一環とも言える。

ITS世界会議2019の同社コーナーでは、日本などで進める先進技術として「エコマップマッピングシステム」を紹介した。これは地図を使っているユーザーとオンラインでつながることで情報の共有を図り、データの品質向上に役立てていくという同社の地図データ整備における先進技術。この先進技術がASEAN域内での地図データ整備を下支えしていることを訴えたのだ。

ターゲットは需要の拡大が続く物流業界やモビリティ業界

ではこうして整備された地図データはASEAN地域のどの分野で活かされるのか。なぜなら東南アジアではカーナビを使う文化はあまり根付いていないからだ。そこでインクリメントPがターゲットにしたのが物流分野というわけだ。世界的にネット通販利用者が拡大する中で物流量が年々拡大している事情はASEANでも変わらない。特にタイ・バンコクなど大都市での渋滞状況は深刻で、効率よく配達できる運行管理システムを導入する気運は急速に高まっているという。

宮原氏はカスタマイズしたデータベースの例として、シンガポールで事業展開しているライドシェア「Grab(グラブ)」を紹介してくれた。「ITS世界会議の会場となったサンテック国際会議場の入口は他社の地図データでも案内されるが、実はグラブのドロップポイントやピックアップポイントは別の場所が指定されている。そのデータを反映するには独自の情報として別のレイヤーを作る必要がある。ここの部分でAPIベースで提供する地図データとは使い勝手で大きく違ってくる」(宮原氏)というわけだ。
カーナビとナビアプリを利用するタクシー

インクリメントPは、日本で培った地図データ製作の先進技術を活かしてASEANへと本格進出を果たした。同社はこうした地図データベースの使い勝手を高めることで他社にはない優位性を訴え、成長へ向けた取り組みに邁進していく考えだ。

 

ITS会場となったサンテック国際会議場
ITS会場となったサンテック国際会議場

 

ITS世界会議2019のオープニングセレモニーでの一コマ
ITS世界会議2019のオープニングセレモニーでの一コマ

 

道路上には目的に応じて複数のレイヤーを備え、それぞれを製作過程で必要に応じて改変していく
道路上には目的に応じて複数のレイヤーを備え、それぞれを製作過程で必要に応じて改変していく

 

関連サービス

関連記事