IncrementP MP WORLD+

法人向けサービス
TOP > デジタル地図入門 > 日本品質のASEANデジタル地図づくりを目指して③ 〜ASEAN走行調査の仕事〜
2019.04.25

日本品質のASEANデジタル地図づくりを目指して③ 〜ASEAN走行調査の仕事〜

地図データを正しく整備するために日々の情報収集は欠かせません。中でも実際に道路を自動車で走行して道路情報を収集する「走行調査」はなくてはならない作業です。

日本では「グローバル・サーベイ株式会社① 走行調査員のお仕事」でご紹介しているとおり、IncrementPの高鮮度な地図データを支えるために、走行調査員が日々日本全国の道路をくまなく走っています。ここASEANでも、同じように走行調査が行われています。

ASEANの走行調査というと、きっといろいろな苦労があるのだろうと想像できますが、そのあたりを現地マネージャーに話を聞いてみました。

日本品質のASEANデジタル地図づくりを目指して③ 〜ASEAN走行調査の仕事〜

■ASEANでの地図整備を支える走行調査員

まずは、ASEAN現地での走行調査がどのような体制で行われているのか、現地マネージャーの増田さんに話を聞いてみました。

 ーー現地での走行調査はどれくらいの人数でやられてますか?

増田さん「1チーム2名体制で、時期にもよりますが、平均すると各国3~5チーム体制で調査を実施しています。さらにクオリティチェック(QC)メンバーもいるため、各国合わせるとピーク時で30名程度の体制になります」

ーーIPAではこれまで走行調査でどのくらいの距離を走られたのでしょう?

増田さん「IPAが設立された2015年から合算すると約地球6周分を走ったことになります。この数字は調査対象道路としての数値なので、実際には、細街路も含めくまなく調査をするために同じ道路を何度も調査するので、この数字の2倍~3倍以上は走行していますね」

ーー現地走行調査にあたってとくに気をつけていることはありますか?

増田さん「とにかく、事故がないように安全第一の調査を心がけています。また、調査は必ず2名体制で調査を実施するようにしています。ドライバーは運転に集中して、調査員が助手席に乗ってPCやカメラを操作し、ドライバーのナビゲーションをするようにしています」

ーー現地の調査車両等のシステムや車両の設備について伺いたいです。

増田さん「小回りが利くように小型車両に、カメラとGPSを設置して調査を実施しています。カメラについては、AVTカメラやアクションカメラ、360°カメラなど様々なカメラを試しながらデータを収集しています」

 

 

 

■ASEAN現地での走行調査員の困難

現地での走行調査では日本にはない、ASEANならではの難しさもあります。実際にどのような苦労があるのか、マネージャーの八木さんに話を聞きます。

ーータイASEANというと交通量も多く、道路のルールも煩雑な印象があります。現地での走行調査の苦労や、やりがいについて教えてください。

八木さん「苦労する点は、渋滞が多くて計画が思うように進まないことが一つあげられますね。走行調査では5m間隔で車載カメラから道路を撮影しているのですが、渋滞に巻き込まれると画像が車ばかりということもよくあります(笑)」

ーー東南アジアの渋滞はとくに有名ですね。どのように対策されているのですか?

八木さん「対策としては、例えば渋滞が少ない休日を利用して調査をしたりしています。例えば、インドネシアではレバランという休暇が一年に一週間くらいあります。その期間は、ジャカルタから車がなくなるのでその期間に調査を一気に実施しています」

ーーその他にとくに苦労している点はありますか?

八木さん「東南アジアでは雨季と乾季がありますが、雨季に入ると常に天候が悪くて調査がなかなか進まないということもあります。調査期間をできるだけ乾季に集中するなど、スケジュールの調整が必要です。

 

また、国民性なのか、国によってどうしても調査の品質にばらつきが出てしまうことがあります。これはQCの部隊がしっかりと品質のチェックを行って、根気強くフィードバックを繰り返すことで長い時間をかけて改善をしてきました」

ーー逆に走行調査をやられる方にとってはどんなことがやりがいでしょうか?

八木さん「地道に調査した結果が、次に調査に行くと、調査用の地図に結果が反映されていきます。調査システム上、調査対象道路がハイライトされて、実際に調査が終わった道路のハイライトが消えていくので、すべての道路のハイライトを消したときに達成感があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、シンプルですが、いろんな知らない土地に行けることもやりがいになっているようです。1回の調査で平均1ヶ月くらい、長いときで3ヶ月くらいの調査に出かけますので」

■ 現地走行調査でのエピソード

ーーこれまでで印象に残っているエピソードなどありますか?

増田さん「笑ってしまったのは、インドネシアの調査中にバリ島で猿にGPSをとられたという報告ありましたね(笑)。休憩中に車を停車していたら、猿が来てGPSアンテナを引っこ抜いて持っていかれたと」

ーー現地を実際に走ったから分かる日本との違いなどありますか?

増田さん「道路の状況が予想以上に刻々と変わっていくところでしょうか。例えば、道路上に可動式のフェンスがある場合があって、時間になるとそのフェンスを誰かが動かして交通の流れが変わるということがあります。時系列で調査をしていると、そのフェンスが、植木に代わり、植木からコンクリートに代わる場合などもあれば、突然なくなること、ずっとフェンスのままの場合などがありますね。

また、乾季には道路があった場所が、雨季に行くと道路が水没してなくなっていたということもありました。このように思いもよらない形で道路が変化しているケースがあります」

 

ASEAN10カ国という広大なエリアの中で、安全に、効率よく、スピーディーに、正確な情報収集に日々挑み続けるIPCの走行調査。最新の技術を活用しながら、人の足と目、そして部署間の連携といった組織力で調査の質を高めています。現地スタッフのみなさんの試行錯誤によって、IPCだからできる唯一無二の地図データが維持し続けられているのだと実感しました。




法人向けサービスに関するお問い合わせはこちらから

法人向けサービスに関するお問い合わせはこちらから

関連サービス

関連記事