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2024.02.26

過積載するとどんな罰則があるの?重量規制などのデータを持つMapFanが過積載について説明します。

運送会社では、効率的な配送を実現するために、荷物をできるだけ多く積み、立ち寄り先の順序、荷物の積み下ろし作業(荷役)の時間などを考慮に入れた配送計画を策定します。こうしたプロセスは、配送の効率化に繋がります。しかし、その一方で避けなければならない重要な問題があります。それは荷物を積みすぎてしまう過積載です。
今回はこの過積載とは具体的にどういう状態のことなのか?過積載の危険性や、違反した際に科せられる罰則、さらに、過積載が原因で問題が生じた場合に考えられる影響や責任の所在、さらに過積載を未然に防ぐための方法を高さ規制・重量規制をはじめとする交通規制を整備保有しているMapFanが解説していきます。

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過積載するとどんな罰則があるの?重量規制などのデータを持つMapFanが過積載について説明します。

過積載とは?

過積載とは、道路運送車両の法規によって設けられた積載量の限界を超えて貨物を輸送する行為を指します。運輸業界では、荷物をどれだけ積むかは作業の効率性に直結し、非常に大切な要素となります。一回の配送で多くの荷物を運べれば運ぶほど、効率は向上します。
しかし、最大積載量以上の荷物を積む過積載の状態で運行すると、事故のリスクが高まり、罰金などの刑罰を受けたり、社会的な信用を失ったりする可能性が出てきます。また、過積載については運送会社やドライバーだけでなく荷主も責任を問われます。そのため、運送業に従事する人々は、許可された積載量を厳守することが求められます。

過積載の危険性

①制動距離が延びる
過積載により、トラックの制動力が弱まり、制動距離が伸びるため、通常の感覚でブレーキをかけても適切に減速や停止ができず、事故のリスクが高まります。また、過積載による重量増加は衝突時の被害を大きくします。

②横転リスクが高まる
過積載によってトラックの荷台が高く積み上げられることで、左右のバランスが崩れがちになります。左右の重量バランスが崩れると対向車線への逸脱リスクや、カーブ走行中の横転リスクが高まります。

③スピードの制御が難しくなる
トラックは車両総重量を想定してブレーキの制動力を設計されており、車両総重量を超えた過積載の状態でブレーキをかけると想定された制動力を上回り制動距離が通常よりも長くなります。特に下り坂では加速しやすく、過積載の状態でブレーキをかけても制動力が足りず十分に減速できません。また、ブレーキへの負担が増し過熱してフェード現象を引き起こす可能性があり、スピードの制御がさらに難しくなります。

④荷崩れが起きやすくなる
過積載のトラックは、右左折、坂道の走行、急発進や急ブレーキ時に荷崩れを起こしやすく、荷崩れを起こすと事故や他車への迷惑、さらに荷主からのペナルティにつながる可能性があります。

⑤事故を起こした時の衝突力が大きくなる
過積載により車両の重量が増えると衝突時の衝撃が強まり、事故の被害が拡大します。
また、過積載は通常の重さの荷物を運搬しているときよりも運動エネルギーが大きくなり衝突した場合の衝撃が増すため、重大事故や最悪の場合は死亡事故を引き起こしてしまう可能性も高くなります。

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過積載の責任はだれが問われる?

では、過積載が起きた際の責任は、誰にあるのでしょうか?
過積載が発生した場合、責任の所在を理解しておくことは大変重要です。ドライバーだけでなく、指示を出した運送事業主や運送を依頼した荷主も、共にその責任を負うことになります。積載超過の程度と頻度に応じて罰則が異なるため、各関係者は責任と科される罰則を認識しておく必要があります。それでは過積載の罰則例をみていきましょう。

運送事業者:公安委員会による指示・車両の使用制限処分・罰金・

      懲役・事業許可の取り消し処分・運行管理者資格取り消し

ドライバー:重量測定受任義務・積み荷の現場取り下ろし・警察官に

      よる通行指示・違反点数・反則金・免許停止・懲役

荷  主※:再発防止命令勧告・罰金・懲役・協力要請書、警告書、

      荷主勧告の発動
参考PDF:しない、させない過積載:警察庁・国土交通省

   ※荷主:荷物の運搬を運送事業者に依頼する企業のことを指します。

過積載はどこまでゆるされるのか?

「過積載とはいっても数kg程度なら、規定の積載量を超えても問題ないのでは?」と思っている人もいるかもしれませんが、過積載に対する許容範囲は一切ありません。最大積載量をわずか1kg超えただけでも、それは過積載とみなされます。最大限に荷物を積んだ運転はリスクが伴うため、余裕をもって積載することが肝心です。「少し超えても問題ない」という考え方は絶対に避けましょう。

 

最大積載量の計算方法 

運送業務を過積載せずに安全に行うためには、トラックの最大積載量の正確な計算方法を理解しておくことが大切です。運転前には、車両自体の重さや乗車人数を考慮した上で、許容される荷物の積載量を算出しましょう。
車両総重量が何かが分かれば、最大積載量も求めることができますので、まずは車両総重量の計算式に当てはめて車両総重量を確認しましょう。

車両総重量=車両重量+乗車定員×55kg+最大積載量

ここでの車両重量はトラックのキャビン、シャーシ、架装を合わせた、荷物や乗員がない状態での全体の重さです。乗車定員1人あたりの体重は55kgと一律で決まっています。そしてこの計算式から最大積載量を求める式に直すと以下の計算式になります。

最大積載量=車両総重量−(車両重量+乗車定員×55kg)

この計算式から最大積載量を把握し、必ず過積載を避けるようにしましょう。

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過積載の罰則について

運送事業者、ドライバー、荷主、それぞれに過積載の罰則はあります。その罰則例を見ていきましょう。

①運送事業者への罰則

②ドライバーへの罰則

③荷主への罰則
過積載の問題で責任を問われるのは、ドライバーや運送事業者だけではなく、荷主も含まれます。
道路交通法では、過積載車両を運転させることを禁じており、この規則に反し繰り返し違反する恐れがある荷主には、警察署長からの「再発防止命令」が発令されることがあります。再発防止命令を破った場合、6ヶ月以内の懲役または10万円以下の罰金に処される可能性があります。
さらに、無理な発注や荷物の引き渡し行為により過積載を促す荷主の積極的な関与が明らかになった場合は、貨物自動車運送事業法に基づく「荷主勧告制度」により荷主の名前が公表されることもあります。

■道路交通法 第五十八条の五
第五十八条の五
第七十五条第一項に規定する使用者等以外の者は、次に掲げる行為をしてはならない。
 一 車両の運転者に対し、過積載をして車両を運転することを要求すること。
 二 車両の運転者に対し、当該車両への積載が過積載となるとの情を知りながら、第五十七条第一項の制限に係る重量を超える積載物を当該車両に積載をさせるため売り渡し、又は当該積載物を引き渡すこと。

2 警察署長は、前項の規定に違反する行為が行われた場合において、当該行為をした者が反復して同項の規定に違反する行為をするおそれがあると認めるときは、内閣府令で定めるところにより、当該行為をした者に対し、同項の規定に違反する行為をしてはならない旨を命ずることができる。

引用:e-Gov法令検索「道路交通法」

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過積載を防ぐ方法

ここでは、過積載防止のための対策を3つ紹介します。

①自重計を利用
まず、過積載を未然に防ぐためには、自重計の利用が効果的です。
業務用トラックで車両総重量が8トンを超える、あるいは最大積載量が5トン以上の場合、特に土砂を搬出する際には、作業日ごとに少なくとも一度はトラックスケールで重量を測定し、過積載ではないかをチェックしましょう。さらに、測定した重量、日時、車両番号を記録し整理すること、そしてトラックの積載状態を写真に収めることで、詳細な記録管理を行うこともできます。

②目視確認
過積載を防ぐ次の方法として、目視によるチェックがあります。
この方法は、直接目で見てトラックが過積載でないかを判断するものです。始めは難しいと感じるかもしれませんが、慣れれば簡単にできるようになります。

具体的な目視のポイントは以下のような基準を決めておくことです。
建設資材である土砂・砕石・アスファルト合材の場合は、平ボディーの高さまで平らにならして積む。アスファルト・コンクリートくずやアスファルト切削くずの場合は、平ボディーの高さプラス20cmまでとするなど。

また、荷物を積載したときのタイヤの沈み込みの状態を覚えておくことも過積載状態になっているかいないかの判断に役立ちます。

③監督職員の配置
次の過積載防止策として、監督者を配置することが挙げられます。
この監督者は、トラックの積載作業が完了した後に、積載状態を検査し過積載を未然に防ぐ役割を果たします。もし過積載が見つかった場合には、ただちに荷物を減らして規定の重量に調整します。
土砂を積む場合には積み込み時の土質の状態によっては、単位体積当たりの重量に大きな変動が生じ得るため、積載量の管理方法を再考し、監督者の同意を得てから実施する必要があります。

今回はトラックの過積載に関する説明をしました。過積載の危険性、過積載に対する法律による罰則、そして過積載を防ぐための適切な対策についてご理解いただけたでしょうか。

過積載以外にもトラックを運行する際には、重量制限や高さ制限といった道路交通規制が存在します。効率的な配送を実現するためには、これらの規制を考慮に入れた配送ルートを計画することが求められます。

 

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