- 2024.09.05
- ジオリサーチ
- 調査分析
株式会社いなげや 様来店しない人からもアンケート取得可能!集計結果から、お客様のライフスタイルに合わせた販促施策を実施!
- 導入先
- 株式会社いなげや 様サービス改善・向上のヒントを得るための、モニターの位置情報に基づくアンケート調査
店舗を利用されるお客様だけではなく、来店されない方のアンケートも取得可能!集計結果から、周辺にお住まいの方々のライフスタイルを見出し、効果的な販促施策を実施!
Geo-Research(ジオリサーチ)利用に至るまでの背景
■課題
いなげやでは毎年、来店してくださるお客様に直接アンケートのご協力をいただいたり、カードデータを使ったりして、様々な分析を行っております。これまで実施してきたアンケートによる分析で、スーパーマーケットを利用する理由の上位に「距離が近いから」が来ることがわかっています。では、近くにいるのに利用しないのはどのような理由があるのか?そのことを把握したくなり、解決方法を模索していました。
■Geo-Researchを知った経緯
弊社営業戦略部門のデジタル担当者が、普段から懇意にしていただいている株式会社NTTデータ様より、ジオテクノロジーズ社のサービスをご紹介いただきました。NTT データ様とお話をする中で人流データによる行動分析に興味を抱き、移動するだけでポイントが貯まるポイ活アプリ「トリマ」と、アンケートモニターの位置情報を活用した「Geo-Research(ジオリサーチ)」というアンケートサービスのご紹介を受け、「Geo-Research」は来店されない方のアンケートも取得できるというお話をいただきました。
「Geo-Research」であれば、普段来店いただいているお客様に加えて、そのような方々のご意見もいただくことができるので、新たなサービス改善・向上のヒントを得ることが出来ると判断し、採用に至りました。
アンケートモニターの抽出条件
アンケートの実施にあたり、競合店などの状況から、今回対象店舗として新座野寺店を選定しました。また、これまで実施してきたアンケートをベースに、利用されない理由がシンプルにフォーカスされる形の設問を考えました。一方で、習慣的に考えつく質問だと、ついそればかりに偏る可能性もありましたが、NTTデータ様にスーパーマーケット事情に御詳しいスタッフの方がいらっしゃったので、その方のご協力も得ながら、答えやすく、かつ誘導的ではない設問を計20問作成しました。
併せて調査対象の抽出条件の設定も行いました。
店舗の周辺にお住まいの方々や、お仕事をされている方々で、普段ご利用いただいているお客様だけでなく、利用されない方々も対象とするため、『地理的抽出条件』は以下に設定しました。
■ある対象期間に、対象店舗の半径2km内に10分以上滞在した
■ある対象期間に、対象店舗の店舗内に30分以上の滞在がない(30分以上の滞在は関係者の可能性があるため)
さらに「Geo-Research」のアンケートモニターには「性別」「生年月日」「職業」「居住地」「未婚・既婚」「世帯年収」など、計13の属性が付与されていることから、『属性抽出条件』として、
■20代から50代までの女性
を設定しました。
いなげや新座野寺店様の半径2㎞周囲の地図 いなげや新座野寺店様の店舗矩形
※出典 MapFan
アンケート結果から見えたものとは?
アンケートは1週間実施し、上記の条件、およびモニタープロフィールで居住地が東京都・埼玉県の方々501名の回答を回収することができました。
いくつかの設問における集計結果を紐解いていくと、そこからは、
・店舗までの距離
・アクセスする時間帯
と、簡便性との関連が見えてきました。
例えば、
・店舗の周辺にお住まいではあるものの、日中は都心で働いている可能性がある。
↓↓
・スーパーマーケットで買い物をするのは、仕事から帰宅する遅めの時間になる。
↓↓
・そのため、会社の近くや駅近くのスーパーマーケットで買い物をすることになる。
↓↓
・帰宅してすぐに食事をするとなると、惣菜が豊富であったり、即時性の高い商品が置いてあるスーパーが魅力的である。
という流れが表れてきましたが、店舗としてはその流れに対して、平日に尽力して効果を得ようとするよりも、逆に休日や週末であればお住まいの周辺にいる機会が多いので、「週末企画」という形で対象の年代を意識した販促を行う方向にしました。
休日・週末であればご家族で来店されるケースが多いと考えられることから、ご家族で何か体験をしていただくような企画、例えば「この週末に買い物に来ていただいたら、イベントに参加できる」とか「この対象商品を買っていただいたら、ご家族でキャンプの体験ができる」といったようなキャンペーンの企画を実施しました。
また、いなげやでは環境負荷低減への取り組みを積極的に行っていることから、食品ロスに関する設問も設定いたしました。
その結果、食品ロスについて興味を持たれているお客様がいらっしゃることがわかったので、例えば対象となる値引き商品を買っていただいた場合、お客様にも何かメリットをご提供できるよう、なるべく廃棄する前にお客様に意識的に購入いただけるようなキャンペーンを実施していきたいと考えています。
Geo-Researchの効果について
今回、買い物に来られるお客様だけではなく、近くにいらっしゃるのに来店されない、つまり他社様の店舗に流れている可能性のあるお客様にもアンケートを実施できたことが何よりも大きく、さらにその結果内容から効果的に顧客離れの対策を打つことができました。
今後、さらにお客様のことを掘り下げたい場合には、必要に応じて「Geo-Research」を利用させていただきたいと思います。
人流データは見えないものを可視化するという強みがあるため、期待と必要性を感じていますが、多種多様な人流データが存在していることも事実で、その都度課題に応じられるデータであるかを見極めながら検討していきたいと考えています。