- 2024.04.15
- 人流データ
- 調査分析
学校法人 愛知大学 様「人流データ」の活用により、来場者の行動や人の動きの空間特性を客観的かつ効率的に把握することが可能に!
- 導入先
- 学校法人 愛知大学 様 「三遠南信地域連携研究センター」による 祭礼・イベント研究
イベントや祭礼の研究において、「人流データ」を活用することで来場者の行動や人の動きの空間特性を客観的かつ効率的に把握することが可能に!
研究の概要を教えてください。
愛知大学は、昭和21年に愛知県豊橋市に設立された、地域性と国際性の協調を理念とする大学です。「三遠南信地域連携研究センター」は、特に愛知県・静岡県・長野県の県境地域である三遠南信地域を対象として、様々な地域研究やGIS(地理情報システム)研究を設立以来推進してきました。
今回は、「三遠南信地域連携研究センター」による祭礼・イベント研究において「人流データ」の活用に取り組みました。
イベントや祭礼の研究では、その形態や意味、及び運営や継承の仕組みなどが主に研究の視点となっていましたが、新たな視点として、参加者や見物人の属性・行動を対象にした研究を始めました。
研究の中で「人流データ」を活用して参加者や見物人の行動分析を行うことを試み、まずはその有効性や効果を確認しました。
対象となる研究は以下2点の研究となります。
■人流データを利用したまちづくりイベント来場者の空間特性分析(駒木 伸比古 教授)
「とよはし都市型アートイベントsebone」を対象として、イベント来場者に関する空間特性の把握を試行
■人流データでみる祭礼見物の空間的特徴(佐藤 弘隆 准教授)
「犬山祭」「豊橋祇園祭」を対象として、祭礼時の都市空間に訪れる人々の属性や行動を分析し、祭礼見物の空間的特徴を捉える研究手法を検討。
「人流データ」の活用方法、およびその利点や効果について教えてください。
まちづくりイベントや祭礼の検証の有効な指標の一つとして、「人流データ」を用いて来場者の会場内での動きやどの地域から来ているかを可視化して分析しました。
その結果、来場者の”集積状況”やその”時間的変化”、会場内での”行動パターン”、”居住地の分布”などを空間的にとらえることができ、イベントの影響や波及効果などを客観的な情報に基づいて検討可能であるということがわかりました。
また、来場者の属性やどこから来たかということを調べるのに、今までは当日会場で直接アンケートを実施するという手法を取っていましたが、属性情報付の「人流データ」を活用することで、サンプル数がはるかに多くなり、かつ調査にかける時間や労力を大幅に省力化でき、とても効率的に研究を進められるというメリットがあることを実感しました。
イベント期間中の来場者の分布密度を表現
来場者(有料観覧エリア)の居住地の分布密度を表現
研究成果の発表実績を教えてください。
愛知大学「三遠南信地域連携研究センター」開催の下記フォーラムにて発表を行いました。
2024年2月10日(土)10:00~17:45 開催 【第11回越境地域政策研究フォーラム】
分科会2 地域システムコア「人流データの活用」
・人流データでみる祭礼見物の空間的特徴: 佐藤弘隆(愛知大学地域政策学部准教授)
・人流データを利用したまちづくりイベント来場者の空間特性分析: 駒木伸比古(愛知大学地域政策学部教授)
弊社のデータを採用するに至った経緯や決め手について教えてください。
共同研究をしている 東北大学 永田彰平 先生から、ジオテクノロジーズ社の人流データの紹介があったことがきっかけです。
他社のデータと比較して、GPSログの取得間隔が短く粒度が細かいことと、属性データが充実しているという特長があるということで、今回の研究に有効活用できるのではと考えました。
また、データの購入単位(期間やエリア)について柔軟に対応してもらえたことも購入の決め手の一つとなりました。
今後の展望など教えてください。
今回は、人流データが研究にどう活用できるかまず確認するという目的が大きかったですが、十分活用できそうという結果となったため、今後はイベント・祭礼時の混雑のリスク対策や混雑解消に向けた提案など、実践的な研究につなげていきたいと考えています。
また、今後お祭りで車山(やま)のルートが変わるなど、何か変化があったときに混雑状況がどう変わるか等、毎年の変化も見ながら継続的に分析していきたいと考えています。