国立大学法人 名古屋大学 様 運転行動改善を促すドライバーエージェントの実証実験
  • 2023.01.13
  • MapFan DB
  • 調査分析

国立大学法人 名古屋大学 様運転行動改善を促すドライバーエージェントの実証実験

導入先
国立大学法人 名古屋大学 様

サービスの概要を教えてください。

シャープのモバイル型ロボット「RoBoHoN(ロボホン)®」を活用したドライバーエージェントシステム(※1)による運転行動改善効果を検証する実証実験を実施しました。

※RoBoHoNはシャープの登録商標です。

※1 エージェントとは、プログラムの規則に基づいて操作者を補助するシステムで, 本研究では運転支援及び映像記録によるフィードバック機能 のシステム全般をエージェント又はドライバエージェントとしている。

JST COIプログラム(※2) 名古屋大学COIの研究からスタートした、運転者と一緒に出掛ける「相棒」ロボットが運転を見守り、運転者の自己認識をアップデートして運転行動改善を促すものです。エージェントは、注意喚起を主とした「運転支援」と、運転評価・アドバイスを自宅でフィードバックする「振り返り支援」を提供します。運転者は毎日の運転から、自身の運転を客観視することで、より安全な運転に近づきます。

※2 JST=国立研究開発法人 科学技術振興機構。 COI(センター・オブ・イノベーション)プログラム=10年後の目指すべき社会像を見据えたビジョン主導型のチャレンジング・ハイリスクな研究開発を最長で9年度支援するプログラム。

実証実験取り組みの背景(これまでの取り組み)

加齢による生体機能の変化の影響、長年の運転経験の過度な自信が影響し、高齢ドライバによる交通事故率は年々増加しています。一方で生活のために車の運転を必要とする高齢者は多いため、免許返納だけでは問題は解決しません。

これまでの基礎研究から、運転自己認識を「今の自分」に更新することで安全な運転になることが分かりました。そこで、高齢ドライバの事故低減に向けた新しい選択肢として「自助による運転寿命延伸」を提案し、実用化に向けて、より良いエージェント形態や安全性、運転改善効果の検証を行ってきました。

それらの成果を踏まえ、2021年8月30日から12月10日まで全国での実証実験を行いました。

地図を使った機能、およびその利点や効果について

システムは、スマホアプリ・小型ロボット・クラウドから構成され、クラウド上に地図データ(道路ネットワークデータ一時停止データ・最高速度データ)を搭載。スマホアプリから各センサ値・位置情報がアップロードされ、地図情報データを参照して注意喚起や運転評価を行います。地図データを用いることで、時間帯・天候・オクルージョン(※)などの影響を受けない支援が可能となりました。

全国のロボホンユーザを対象とした実証実験では、69%の参加者の一時停止交差点通過行動が改善しました。

※手前にある物体が背後にある物体を隠しているような状態のこと

弊社の地図製品を採用するに至った経緯や決め手について教えてください。

高齢ドライバを対象とした運転支援場面として、事故率が最も高い一時停止交差点は最初のターゲットでした。幾つかの地図データを検討しましたが、住宅路の一時停止交差点情報まで備えている地図データは他にありませんでした。一時停止以外にも、様々な情報が利用できるため、支援場面を増やすことが容易であったことも、採用する理由となりました。

今後の展望など教えてください。

実証実験の参加者からは「こんな場面でしゃべってほしい」といった要望をたくさん頂きました。地図データを活用して、より多くの支援コンテンツを追加したいと考えています。

今後はゾーン30や踏切に関する注意喚起,高速道路の渋滞緩和行動の促進等を活用予定です。

また、実証実験により運転行動改善効果を確認することができたので、今後、名古屋大学発ベンチャーの株式会社ポットスチルを通じて、サービス化や他の製品開発への展開を目指していきたいと考えています。

 

名古屋大学 未来社会創造機構

名古屋大学COI

株式会社ポットスチル

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