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【必要としている顧客はいるか?】新規事業の可能性を探る「顧客視点」での定量調査による仮説検証

トヨタ自動車株式会社 様

トヨタ自動車株式会社 様

はじめに

トヨタ自動車株式会社 新事業企画部ヘルスケア事業室様は、高齢化社会における重要課題である「移動寿命の延伸」に取り組んでいます。

このたび、事業化に向けた市場ニーズを短期間で定量的に把握するため、エリアを特定して高精度なアンケート調査が可能な弊社の「Geo-Research」(以下、ジオリサーチと表記)をご活用いただきました。

本記事では、新規事業推進に不可欠な「顧客視点」のデータ収集を、ジオリサーチを通じてどのようにご支援したのかご紹介いたします。

移動寿命を延ばすために

トヨタ自動車株式会社様は「Mobility for ALL」(移動の可能性を、すべての人に)という理念のもと、すべての人の「行きたい」を叶えることを目指しています。 その中で、新事業企画部ヘルスケア事業室様(以下、同事業室)では、特に「移動寿命≒健康寿命」と定義し、運転や歩行など移動そのものを支援する取り組みを推進されています。

当初は、脳卒中などで身体が麻痺した方への歩行リハビリ支援ロボットなどの歩行支援から事業を開始しました。現在は、自動車の「運転寿命」に着目した新サービスの事業化を検討しています。

同事業室は本サービスについて、次のように語られています。

「加齢や疾病により、ご自身の運転による移動が困難になっていく方に対して、安全かつ自立した運転をできるだけ長く続けられるよう支援したいと考えています。」

ユーザーの運転実態を分析し、安全運転を長く続けられるようアドバイスや技術的支援を提供するサービスとして、事業化に向けた検討と実証実験が数年間にわたって続けられています。

※検討中のサービスイメージ(2025年11月時点)※今後変更の可能性があります

トヨタ自動車株式会社 新事業企画部ヘルスケア事業室様 検討中のサービスイメージ(2025年11月時点)

新規事業提案の壁:「必要としている顧客はいるか?」

事業化を進めるにあたり、同事業室では顧客起点での提案を行うため、定量的なデータ収集が不可欠であると判断しました。

新規事業提案の厳しさを、同事業室は「我々が新規事業を提案する際には、顧客となりうる方がどの程度存在し、実際にお金を払ってでも解決したい課題を抱えているかをしっかりと調査することが重要です」と語っていただきました。

そのため、今回の調査では、事業の確度を高めるために、特に以下の3点を定量的に把握することを最重要課題としました。

  • 市場とニーズの把握:「本当にサービスを必要としている顧客がどれほど存在し、どれほどの課題を抱えているか」を明確にすること。
  • 初期ターゲットの実態把握:初期ターゲット層である「離れて暮らす親の運転を心配している家族」にニーズが高いという仮説に対し、具体的な市場規模や、都心部・別居家族の割合などの実データを取得すること。
  • 有料化の可能性:その課題を顧客が「お金を支払ってでも解決したい」と考えているか、サービスに対する支払意向を調査すること。

選定理由と調査内容:「地域特化」と「スピード感」で仮説を検証

事業化検討の基礎データを収集するにあたり、弊社の「ジオリサーチ」の採用を決定いただきました。選定の決め手となったのは、「細かなエリア指定が可能である」点と、「回収のスピードが速い」点です。

親との別居割合が高いと推測される都心部など、地域を限定したニッチな市場調査をスピーディに実施できる点が、新規事業の検討サイクルに合致すると評価されました。また、ユーザーの回答がスマホで完結し、素早く情報を収集できるため、迅速な仮説検証を進める上で有効であると判断いただきました。

前述の通り、今回の調査の最大の狙いは、親と別居している可能性が高い都心部にエリアを限定し、地域特化型の市場調査を行うことです。
同事業室は、「親と別居している方が、こうしたサービスによって親の見守りができるかどうか。そのような方々は都心の方が多いのではないか、という仮説のもと、代表的なエリアを選定しました」と、その背景を説明されています。

最終的に、調査内容は以下の3点に絞り込まれました。

  • 「親の運転を心配する家族」の定量化と市場規模:親と別居している家族のうち、「親の運転」に具体的な不安を抱える層の割合を特定し、初期ターゲット市場の規模を定量的に確認する。
  • 地域特性に基づく不安度とニーズの深掘り:親の運転を見る機会が少ない都心部に特化し、地域ごとの具体的な不安要素と見守りサービスへの潜在ニーズを深掘りする。
  • サービス導入の障壁と支払意向の検証:開発中のサービスコンセプトを提示し、顧客がその課題解決のために許容できる価格帯、およびサービス導入の障壁(抵抗感)を検証する。

サービスの価値を裏付ける結果に

市場規模に関する仮説の検証に成功

今回の調査により、主要都市における「親の運転を心配している家族」の存在を明確に定量化でき、想定していた程度の顧客層が確かに存在するという、事業化検討の確度を高める結果が得られました。

また、今回の調査では、1日以内に5,000サンプル以上を回収でき、迅速なデータ収集を実現できました。

 

「見守りの難しさ」がニーズを高める仮説を裏付け

地域別調査の結果、都市A・都市Bに比べて都市Cの不安度がわずかに低いという傾向が確認されました。データを分析した結果、都市Cは都市A・都市Bよりも「親と別居している割合が低い」という傾向があり、「親の運転を見る機会が少ない人ほど、サービスへのニーズが高い」という初期仮説を裏付ける貴重な知見が得られました。

この発見により、サービス設計において、「離れて暮らす家族の見守り」という提供価値の重要性が再確認されました。

トヨタ自動車株式会社 新事業企画部ヘルスケア事業室様 ジオリサーチ結果イメージ
※すべての居住形態で「不安」と感じる人が半数以上を占めており、親の運転に対する不安が大きいことがわかりました。その中でも、親と同居している場合に最も不安が小さく、遠方に別居している場合が最も不安が大きい結果になっており、親と離れて暮らす人ほど運転に不安を感じていることがわかります。

運転寿命を延ばすサービス設計への確信

ジオリサーチを活用して得られた定量的なデータにより、「安全な運転を長く続けられるように支援する」という新サービスの価値と、「親と離れて暮らす人」というターゲット市場の存在が裏付けられました。

同事業室では、データに基づき顧客の存在の確信を深め、今後はサービスモデルの検討を行い、事業化の取組みを引き続き進められるとのことです。

また、今回の調査を経て、新規事業推進におけるジオリサーチの有用性を評価いただき、次のようにコメントをいただきました。

「顧客視点で新規事業を提案する際、特定のエリアにおいて実際のユーザーがどれほど存在し、実際にお金を払ってでも解決したい課題を抱えているかを把握したい企業には、ジオリサーチは有効なツールとしておすすめです。アンケートの回収スピードも早いため、スピード感を持って事業を推進したいチームに最適です。」

ジオリサーチを活用してみませんか?

本事例のように、新規事業の立ち上げや、既存サービスの改善において「顧客のリアルな声」は不可欠です。

ジオテクノロジーズが提供する「ジオリサーチ」は、「そこに居た事実」に基づき、エリアをピンポイントで指定した高精度なアンケート調査をスピーディに実現します。これにより、顧客の事業仮説の検証を迅速に行い、事業化の確度を高めることを支援いたします。

「〇〇といった悩みを抱える顧客は存在するか?」「この地域でニーズはあるか?」といった問いに対し、確かなデータで答えを導き出しませんか。

その他、人流データと地理空間データを組み合わせた多様なソリューションも提供しております。サービスにご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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