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客観的なデータを武器に、市民や事業者に訴える。 次の100年に向けた挑戦「みんなの川崎祭」の賑わいを可視化し 川崎市ならではの街づくりを推進。

川崎市 様

川崎市 様

はじめに

川崎市まちづくり局様では、民間企業と手を取り合いながら、新しい価値観に合わせた街づくりを推進されています。一般に自治体は、許認可や指導を行う”窓口”というイメージが強いですが、川崎市まちづくり局様は、市民と民間企業をつなぐ「翻訳者・パイプ役」も担っていらっしゃいます。特に近年注力されているのが、市制100周年を迎えた2024年に誕生した共創型フェスティバル「みんなの川崎祭」です。

今回は「みんなの川崎祭」の賑わいを可視化し、客観的なデータをもって次の100年に向けた挑戦を進めるため、当社の『人流分析』と『Geo-Research(アンケート)』を導入いただきました。導入の背景や結果、今後の展望について、川崎市まちづくり局拠点整備推進室のご担当者様にお話を伺いました。

 

 

【課題】

  • イベントに対する定性的な目標を掲げる中で、定量的な効果測定ができていなかった
  • 協力してくださっている市民や事業者に対する、説得力のあるデータが不足していた

【施策】

  1. 人流分析
    ・イベントの来場者分析
    ・周辺施設との回遊分析
    ・道路ごとの通行量分析
  2. Geo-Research(アンケート)
    ・位置情報ターゲティングによる、イベント来場者に限定したWebアンケート
    ・経済波及効果の測定

【結果】

  • 来場者数や経済波及効果、周辺施設との相互送客施策効果を定量的に証明
  • 事業者へのフィードバックに活用できる、説得力ある材料に

 

駅前の大動脈を封鎖。次の100年に向けて大きく育つ「芽」となるイベントに

― みんなの川崎祭は、どんなイベントですか?

川崎市市制100周年を機に誕生した、川崎駅前の市役所通りなどの公共空間を舞台に、スポーツ・ダンス・アート・音楽・フードなど多彩なカルチャーが一堂に集結して楽しめるイベントです。

市制100周年記念事業で大事にしていたのは、「一瞬で消えてしまう打ち上げ花火ではなく、小さくてもよいから、次の100年に向けて大きく育つ可能性のある“芽”を生み出すこと」でした。川崎駅前は京浜工業地帯のある海に向かって幹線道路が伸びていますが、都内のように迂回できる側道や横丁といった道路網はありません。そのため、市役所通りを封鎖すると生活インフラがストップしてしまいます。

そうした街の“大動脈”をあえて封鎖し、道路空間の活用を示すとともに、市民と一緒に楽しめる「非日常」を提供する――。この取り組みは、単に100周年を祝うだけでなく、「次の100年に向けた挑戦」を体現するものです。

また、国土交通省が推奨するウォーカブルな街づくりを踏まえ、「車が主役の道路」から「人が主役の道路」への転換を図り、新たな公共空間の使い方を試す社会実験という位置づけでもあります。警察からは「幹線道路を規制すること自体難しい」とされ、許可がなかなか下りず、ハードルの高い挑戦でした。

川崎市は、ありがたいことに財政が健全であり、現在も人口が増え続けている国内でも珍しい都市です。「元気なうちに未来に投資し、挑戦していく」という考えのもと、さまざまなチャレンジを進めています。

みんなの川崎祭

― みんなの川崎祭の、ミッションを教えてください。

「新しい価値観や体験に触れていただく場を提供する」ことがミッションです。

川崎市は北西から南東にかけて細長い地形で、鉄道は北東から南西に走る路線が多いのが特徴です。北部は小田急線、中部は東横線・田園都市線、南部は東海道線・京浜東北線により、都内や横浜市方面へ容易にアクセスできます。その一方で、「同じ市内でも川崎区には行ったことがない。」という市民も多く、物理的・心理的な分断が課題となっています。

そこで、市役所通りを「川崎の魅力を詰め込んだショーケース」と位置づけ、市内のさまざまな企業・団体が集結し、多様な体験ができるコンテンツを展開しました。老若男女を問わず幅広い層に楽しんでもらえるよう、今回は96のコンテンツを用意しました。また、「会場の端から端まで歩くと、違う自分になって帰れる」という裏テーマもありました。

川崎駅周辺には大規模な商業施設が複数立地していることから、イベント会場から各施設への送客を目的とした相互送客施策も実施しました。まだまだ認知度の低いイベントのため、すべての施設との連携には至っていませんが、行政として、できるだけ多くの施設と連携して回遊性を生み出していきたいと考えています。

みんなの川崎祭_R7俯瞰図

みんなの川崎祭 令和7年の様子

 

エモーショナルな価値を、定量的に証明する必要性

― 今回、当社の人流分析とアンケートを導入いただいた背景を教えてください。

きっかけは、先ほどお伝えしたようなエモーショナルなミッションを掲げる中で、「定量的な効果測定」ができていなかったことです。

開催にあたっては、警察との規制協議や国土交通省とのバス路線変更に関する協議など、さまざまな調整を経ており、地域の方々のご理解とご協力によって成り立っています。そのため、雨天時の予備日(延期日)を設けることができません。つまり、当日に雨が降れば中止せざるを得ず、それまでに投じた労力と費用が一瞬で水の泡となるリスクがあります。

このイベントの原資は、市民の皆さまからお預かりしている大切な税金です。行政としては、その使い方について説明責任を果たす必要があります。だからこそ、「このイベントの開催によって、どれだけの経済効果が生み出されているのか」を科学的かつ客観的なデータで証明できなければ、将来的な継続は難しくなる――。そうした考えから、人流分析とアンケートの導入を決めました。

導入にあたっては、ジオテクノロジーズ社が、予算に制約がある中でも「頑張ります!」と熱意を持ち、柔軟に提案・対応してくれました。

 

定量データを武器に、説得力を高める

― 分析・調査結果をご覧になって感じた点や、良かった点はありますか?

1.人流分析
来場者数(拡大推計値)をデータで証明できたことは、大きな成果だったと感じています。これまで自分たちで算出してきた計算式では来場者数が「約10.7万人」でしたが、今回ジオテクノロジーズ社からいただいた分析レポートでは「約9.8万人」と、大きな差がないことが確認できました。行政イベントの来場者数については、「数字を盛っているのではないか」と見られがちな側面がありますが、客観的なデータとして「これだけの人がこのイベントに集まっていた」という事実を示すことができます。そのため、市民や議会から説明を求められた際に、非常に有効な材料になると考えています。

来場者推計

来場者数推計

 

周辺施設との回遊分析については、相互送客施策を実施した事業者様に分析レポートをお示ししました。イベント当日に「みんなの川崎祭」と「各事業者様の施設」を併用した人数を数値で示すことで、施策効果の説得力を高めることができました。また、定量データがあることで、お願いベースの営業ではなく、Win-Winであることを前提として、「次回も引き続きご一緒に取り組みましょう」とフラットに巻き込むことができるようになりました。今回、連携まで至らなかった事業者様にもレポートをお示しすることで、「これだけの送客効果が確認されたので、次回はぜひ一緒にやりませんか」といった形でお話しすることができ、良好なフィードバック材料として活用できています。

周辺施設との回遊分析

 

2.Geo-Research(アンケート)
イベントでの使用金額をヒアリングしたことで、経済波及効果を算出することができました。今回算出した経済波及効果は「約1.89億円」です。本イベントが実施する価値のある取り組みであることを示すことができたほか、仮に一度雨天中止となった場合でも、翌年に開催できれば、投じた費用を十分に回収できる可能性があることも分かりました。

イベントでの使用金額

カスタマイズした調査・分析で、より活用性の高いデータに

― 今後の展望を教えてください。

「みんなの川崎祭」は、今後も継続して実施していく予定です。これまでの経験やノウハウを活かし、2026年はさらなる挑戦に踏み出します。川崎市長のマニフェストに掲げられている「注目を集めるエンタメシティへ」という方針のもと、アジア最大規模のイベントを川崎駅前で立ち上げるという目標があります。

これまでも「みんなの川崎祭」と同時に複数の大型イベントを開催してきましたが、今後はそれらを一体的なイベントとしてまとめ、さらに進化させていきます。

単なる歩行者天国イベントであれば、どの街でも実施することができます。しかし、川崎では「市民と市民」「文化と文化」「街と未来」が交わることで新たな価値が生まれ、その一つ一つが次の一歩につながっていく――。そのような意味を持つ、川崎ならではのイベントへと進化させていきます。

今後も継続的に効果検証を行いながら、イベントのクオリティを高めていきたいと考えています。

― 次回の効果検証に求めることを教えてください。

今回、交通規制を行った交差点付近の道路通行量についても分析していただきましたが、交通規制による渋滞の原因究明には至りませんでした。次回は、点列人流データの動画分析などの導入も検討し、渋滞発生の原因把握から具体的な対策立案までつなげていきたいと考えています。

周辺施設との回遊については、今回は人流分析のみでの調査となりましたが、次回はアンケートでもより深掘りした調査を実施したいと考えています。例えば、「なぜこの施設に立ち寄ったのか」といった設問を追加することで、相互送客施策の有効性をより明確にできると考えています。

継続的な効果測定によって得られたデータを活用し、イベントをさらに進化させていきたいと考えています。将来的には、かつて開催していた「カワサキハロウィン(仮装パレード等のハロウィンイベント)」のように、国内でも有数の認知度を誇るイベントへと育てていきます。さらに、羽田空港からのアクセスの良さも踏まえ、インバウンド層の誘客も視野に入れています。

ジオテクノロジーズに期待すること

― 弊社ソリューションのおすすめポイントがあれば教えてください。

予算に応じた柔軟な提案力と、見やすく説得力のあるレポートが大きな魅力だと感じています。分析項目や取得できる属性情報も詳細かつ豊富であるため、マーケティングやPRに取り組む民間企業にとっても、十分に活用価値の高いソリューションではないかと思います。

― 弊社に期待することはありますか?

分析項目や属性情報が詳細かつ豊富である点は、ジオテクノロジーズ社の強みだと感じています。一方で、行政においては、必ずしもここまでの詳細さが求められないケースもあります。そのため、必要な情報に絞ることでコストを抑えた、リーズナブルなカスタマイズパッケージが用意されると、より活用しやすくなると感じました。

 

「攻めのイベント」の効果測定に、人流分析・Geo-Researchを活用してみませんか?

今回は、川崎市様主催のイベントの効果測定に、人流分析とGeo-Researchを導入いただき、導入の背景や結果・今後の展望をお話しいただきました。

 

― 人流分析

人の流れを点ではなく線で捉えることができる高精度人流データにより、人々がどこから来て、どこへ向かうのかを視覚的にとらえ、回遊状況を分析可能とします。

― Geo-Research

「そこに居た事実」に基づき、エリアをピンポイントで指定した高精度なアンケート調査をスピーディに実現します。顧客の事業仮説の検証を迅速に行い、事業化の確度を高めることを支援いたします。

 

双方を組み合わせることで、定量・定性の両面からイベントの効果測定をすることが可能になります。

・熱意をもって企画したイベントの効果を測定したい

・公共空間の利活用効果を証明したい

・地域の回遊性向上施策の効果を可視化したい

このような課題をお持ちの方は、ぜひお問い合わせください。

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