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2023.10.31

地図の著作権とは?自社で地図整備制作を行っているMapFan(マップファン)が地図の著作権について説明します

皆さんは地図の著作権について知っていますか?
多くの人々は音楽や映画、本などの著作物に著作権があるように、地図にも著作権が存在するのです。時間と労力をかけて膨大な情報を収集し、その情報を元に見やすさ使いやすさなどを考えながら地図を制作していきます。見やすさ使いやすさを考えて作られた地図も、他の著作物と同じように著作物と認められ著作権法の保護対象となっています。
そのため、地図の著作権を侵害する行為は違法とされ、罰則も定められています。例えば、許可なく地図のコピーを配布したり、デザインを改変して公開したりすることは、著作権侵害になる可能性があります。今回は日本のデジタル地図を整備制作しているMapFan(マップファン)が地図の著作権について説明します。

地図の2次利用許諾を受けたコンビニ印刷サービス事例ダウンロードは こちら>

地図の著作権とは?自社で地図整備制作を行っているMapFan(マップファン)が地図の著作権について説明します

著作権とは?

著作権法では、著作物を「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」と定義しています(著作権法第2条第1項第1号)。
「思想又は感情」を表現したものは著作物とみなされますが、単に「事実」を示すものや人間特有の「思想や感情」を持たないチンパンジーが描いた絵、AIによる音楽などは著作物とはみなされません。また、「創作的」なものとは、作者の個性が少しでも感じられるものを指し、幼稚園児の絵や小学生の作文なども著作物に該当します。しかし、他人の作品を模倣したものや、個性が欠けているありふれた表現は著作物とは認められません。

また、著作物とは具体的に表現された作品を指すため、抽象的なアイデアや技法そのものも著作物には含まれません。著作物と著作物にならないものとしてスポーツのルールを例に上げると、スポーツのルール自体は著作物ではありませんが、スポーツのルールを詳細に説明したものは著作物として認められます。著作物は「文芸、学術、美術、音楽」の範囲で類別されています。

著作権を侵害するとどうなるか?

著作権を侵害すると、まず法律による罰則を受けることになります。
加えて著作権を侵害すると著作権者から賠償や差止請求が来る可能性があります。2021年1月からは特定の著作権侵害で刑事罰も適用されるようになりました。

さらに企業として社会的な信用を失うことになります。
著作権を侵害すると法的な賠償だけでなく、企業のブランドや信頼に大きなダメージを与える可能性があり、一度失われた信用を回復させるためには時間とコスト、努力が必要になります。社会的な信用を失わないために、著作権侵害をしないという意識を持つことが重要になります。

デジタル地図の著作権の関連記事はこちら>

地図の著作権とは?

地図は、著作権法第10条1項6号※により保護されています。具体的には、「図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物」に該当します。そのため、Google マップ(グーグルマップ)やMapFan(マップファン)のような地図サービスの地図を利用規約の範囲を超えて許可なく複製、編集、掲載するのは地図の著作権侵害になります。

<参考>E-GOV法令検索 著作権法全文 第10条1項6号

地図の著作権侵害の事例

地方自治体のホームページでGoogle マップ(グーグルマップ)等の地図を無断利用し、「Google マップ(グーグルマップ)等の著作権を侵害した」としてニュースになった事例があります。
宮城県と岩手県はそれぞれのホームページで、著作権侵害の疑いがあるGoogle マップ(グーグルマップ)等の地図掲載があったと発表しました。宮城県では約4000枚、岩手県では約2000枚のGoogle マップ(グーグルマップ)の著作権侵害や国土地理院の著作権侵害が疑われる地図が掲載されていました。
利用規約に関する違反の主な原因は、適切な出典表示がなされていないことや許諾なしでの利用でした。Google マップ(グーグルマップ)の利用規約は厳格であり、Google マップ(グーグルマップ)著作権を侵害しないように遵守が求められます。宮城県は違反が判明した地図を削除し、差し替えた上で、Google マップ(グーグルマップ)を含む地図情報提供者に謝罪することになりました。岩手県も同様に違反地図を削除し、職員への著作権研修を実施することになりました。

<参考>産業経済新聞:Google マップ(グーグルマップ)の著作権侵害に関する記事

これら自治体のGoogle マップ(グーグルマップ)著作権侵害の事例は、地図の著作権侵害のリスクが現実にあることを証明してくれました。自治体・官公庁などの公的機関や企業が業務で地図を利用する際には著作権法や利用規約に十分な注意を払い、不明瞭な点や疑問点がある場合は弁護士などに相談することが望まれます。

著作権侵害になってしまう可能性がある地図の印刷・二次利用例記事は こちら>

地図の著作権を侵害するとどうなる?

1.地図の著作権を侵害した場合の罰則

法人の場合:
法人の代表者、その代理人、従業員が業務のために地図の著作権を侵害した場合、その法人は3億円以下の罰金刑

個人の場合:
個人が地図の著作権を侵害した場合、10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金刑

さらに、地図の著作権を侵害すると、地図の著作権を持つ企業から差止請求や損害賠償、不当利得の返還の請求を受けるリスクがあります。2020年6月5日の改正著作権法では、特に悪質な著作権侵害に対しては刑事罰が科されることが決定され、2021年1月より実施されています。

根拠法
個人が侵害した場合の根拠法:著作権法第119条
(略)著作権若しくは著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者又は次項第3号若しくは第4号に掲げる者を除く。)は、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

法人が侵害した場合の根拠法:著作権法第124条
法人の代表者又(略)は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。1.(略)3億円以下の罰金刑

<参考>E-GOV法令検索 著作権法全文     第119条第124条

2.社会的な信用損失

地図の著作権の侵害は、企業に対して法的な罰金や賠償が求められるだけでなく、企業に対する信用損失やイメージ悪化など深刻な社会的ダメージを与える可能性があります。特に近年企業のコンプライアンス違反に関しては特に厳しく見られており、著作権侵害のニュースが公になると、企業の評価や社会的信用が低下する可能性があります。一旦失われた信用を回復するには、時間、費用、そして継続的な取り組みが求められます。著作権に関する意識を常に高く持つことが重要です。

地図の著作権を侵害しないために

地図の著作権を侵害しないためには、利用規約の確認と遵守が不可欠です。
MapFan(マップファン)などのインターネット地図サービスは閲覧目的の利用が前提となっています。これらの地図画像を貼った原稿をPDF化して無断でホームページに公開したり、無断で案内チラシに使い印刷利用したりすることは、地図の著作権侵害となる可能性があります
利用規約を超えて地図の著作権を侵害せず安全に利用しようとすると、関連する著作権を保有するすべての企業・団体に許諾をえる必要があります。さらに地図の著作権者は地図のサービス提供者とは限らず多数ある場合もあります。こうした権利関係を自社だけで調べるだけでも非常に手間のかかる作業です。

ジオテクノロジーズのデジタル地図サービスは、道路走行調査他の手段により、自社で整備保有している地図データベースを基にしています。ジオテクノロジーズの強みは「地図制作会社=サービス提供会社」であり、地図データの印刷や二次利用の許諾も自社が窓口となって判断できます。コンプライアンスを重視される企業にも、安心してご利用いただけますので、デジタル地図を印刷・2次利用したい方はぜひご相談ください。

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